HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Mon, 16 May 2011 00:08:28 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:福島県相馬市にある神社の前で、一頭の馬が飼われている。震災…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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2011年5月16日

 福島県相馬市にある神社の前で、一頭の馬が飼われている。震災から三週間後、隣の南相馬市で保護された推定八歳のオス。名前も飼い主も分からない▼すぐ近くで被災者に焼きたてのパンを配っている店の人気商品の名と、再び太陽が昇る再生への希望を込めて、付けられた名は「サンライズ」。千年の歴史を有する伝統行事「相馬野馬追(そうまのまおい)」の地らしいエピソードだ▼野馬追に参加する馬が飼育されている相馬地区では、生き残った馬を近くの牧場に移すなど、救済の動きが広がっている。救いの手が差し伸べられている馬たちは幸せだ▼福島第一原発の事故で、計画的避難区域に指定された飯舘村などできのう、住民の避難が始まった。飼っている乳牛を食肉として処分することを決めた農家もある。家族同然に暮らしてきた家畜との別れが迫っている▼原発から半径二十キロ圏内の警戒区域で、生き延びている牛や豚などにも、悲しい運命が待つ。政府は農家の同意を得たうえで安楽死させるよう福島県知事に指示、今週にも獣医師が区域内に入り処分を始めるという▼詩人の川崎洋さんに「動物たちの恐しい夢のなかに」という詩がある。<犬も/馬も/夢をみるらしい/動物たちの/恐しい夢のなかに人間がいませんように>。動物たちが怖い夢を見るならば、その原因をつくったのは人間であることは間違いない。

 

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