HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38798 Content-Type: text/html ETag: "b853e-166b-8efba940" Expires: Sat, 14 May 2011 20:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 14 May 2011 20:21:40 GMT Connection: close 次期米大統領選 経済がカギ握るオバマ氏再選 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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次期米大統領選 経済がカギ握るオバマ氏再選(5月15日付・読売社説)

 オバマ米大統領が来年11月に行われる大統領選挙での再選を目指し、活動を開始した。

 4月初めにいち早く出馬を表明し、選挙資金集めに乗り出した。交流サイトのフェイスブックなどを駆使し、史上最高となる10億ドル(約810億円)を目標にしている。

 50%以下に低迷していた支持率は、5月初め、米同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラーディンの殺害を発表した後、一気に60%近くまで上昇した。

 オバマ氏の選挙運動は幸先の良いスタートを切ったと言える。

 対抗する共和党では、今月に入って、ギングリッチ元下院議長ら2人が名乗りを上げた。草の根保守派の「茶会運動」の影響が党内に強いため、保守派と穏健派の意見の統一が難しいという事情も抱えているようだ。

 選挙戦の行方を左右するのは、経済の動向である。

 オバマ氏は2008年の前回大統領選で、金融危機のさなかに「チェンジ(変革)」を訴えて当選した。「米国の再生」という公約をどれだけ実現できたかが、問われることになるだろう。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、米国の景気が緩やかに回復しているとして、巨額の国債を買い入れる量的緩和策を6月末で終了することを決めた。

 だが、失業率は9%前後に高止まりし、ガソリン価格も中東の政変の影響もあって、なかなか下がらない。雇用情勢を好転させ、景気回復を達成することが、再選には欠かせまい。

 財政赤字は4年連続で1兆ドル(約81兆円)を上回る見通しだ。その削減も重要な課題である。

 昨年の中間選挙で、オバマ氏の進めた医療保険制度改革などが、「大きな政府」や増税につながると批判を浴び、民主党は下院議席が過半数を割る惨敗を喫した。

 オバマ氏は選挙後、ブッシュ前大統領の下で導入された大型減税を当面継続することを認めた。共和党の主張を取り込んだ形だが、税収減のもとで財政赤字削減は困難さを増している。国防予算の削減に踏み込むのもそのためだ。

 約20年前、前大統領の父のブッシュ大統領は、湾岸戦争の勝利によって一時は90%近い支持率を誇ったが、景気後退で人気が急落し、大統領選で「経済第一」を主張したクリントン候補に敗れた。

 テロとの戦いに成果を上げたオバマ氏も、景気浮揚と財政再建に道を開けなければ、その二の舞いにならないという保証はない。

2011年5月15日01時02分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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