HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 14 May 2011 20:10:33 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:映画『マルサの女』は、故伊丹十三監督のヒット作。中に、荒稼…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2011年5月14日

 映画『マルサの女』は、故伊丹十三監督のヒット作。中に、荒稼ぎして巨額脱税をしているとみられる男に、国税局の査察官が「どうしたら金は貯(た)まるのか」とたずねる場面がある▼男は確かこう言う。「金貯めようと思ったらね…使わないことだよ」。なかなかそうもいかぬのが、現実の身過ぎ世過ぎというものだけれど、確かに真理ではあろう。いくら入れてもどんどん出ていけば、たまるわけがない…。お察しの通り。福島第一原発1号機の話である▼計画では、1号機は、原子炉の格納容器を水で満たす「水棺」によって、いち早く安定冷却を目指すはずだった。だから、圧力容器には、これまでに既に一万立方メートル以上の水を注入してきた▼圧力容器自体の容積はわずか三百六十立方メートル。それを覆う形の格納容器のそれでも七千四百立方メートル。とうにあふれている勘定だが、水位が上がらぬどころか、燃料があるはずの位置にまったく水がないらしい▼子どもだって、空気を入れても自転車のタイヤが膨らまなければ、すぐパンクを疑うだろう。もっと早く気づけなかったものかと思うが、とにかく圧力容器に穴が開き、格納容器と直結する部分からも水が漏れ出ている可能性が高いと東電が明らかにした▼収束に向けた行程に、浪費できる時間はない。今後の事故対処策には、もう“穴”がないようにと願うばかりだ。

 

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