HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38780 Content-Type: text/html ETag: "1682cc-1619-b4ac7e80" Expires: Fri, 13 May 2011 21:21:38 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 13 May 2011 21:21:38 GMT Connection: close 内閣法改正案 今なお「閣僚3増」とは論外だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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内閣法改正案 今なお「閣僚3増」とは論外だ(5月14日付・読売社説)

 東日本大震災の対応に本当に必要な措置か、大いに疑問がある。

 政府が、閣僚の上限を現在の17人から20人に増やす内閣法・内閣府設置法改正案を国会に提出した。

 改正案は、内閣府の副大臣と政務官を各3人から最大各9人に、首相補佐官も5人から最大10人に増やすことも盛り込んでいる。

 政府は、閣僚3増によって、震災復興相や原子力発電担当相を新設したり、官房長官と沖縄・北方相、環境相と防災相の兼務を解消したりしたい、としている。

 震災発生直後、地震、津波、原発事故という「複合事態」に、一刻を争って対処している時であれば、閣僚増も理解できた。だが、2か月以上たった今、あえて閣僚を増やす理由はない。不要不急の法案と言わざるを得ない。

 副大臣や政務官、首相補佐官の大幅増も、「船頭多くして船、山に登る」になりかねない。首相官邸に震災対応の本部や会議を乱立させ、かえって混乱を招いたことをもう忘れてしまったのか。

 そもそも「閣僚3増」構想は、衆参のねじれ状態を解消する大連立のため、野党幹部の入閣を想定したものだった。

 だが、菅首相の稚拙な対応で大連立の機運が失われると、細野豪志首相補佐官の原発担当相起用を公明党に打診した。さらに、現在は、民主党内の「菅降ろし」の動きを封じるため、内閣改造の構想まで語られている。

 菅政権の対応は、あまりに場当たり的と言うほかない。

 震災関連の特別立法が遅れているのに、政府が6月22日に会期末を迎える通常国会の大幅延長を避け、第2次補正予算や特別立法の処理を夏以降に先送りしようとしていることも、問題である。

 政府は、復興構想会議の6月末の提言を予算・法案化するには時間がかかるとしている。

 だが、会議では、水産業の早期復興などの緊急提言が出ている。被災地の雇用や経済を考えれば、できる事業から順次、実施に移すのが筋である。政府は、第2次補正予算の編成を急ぐべきだ。

 菅政権が国会の大幅延長に慎重な理由には、野党の攻撃などで政権が不安定化するのを避けたいこともあるとされる。しかし、そのために震災関連法案の審議を先送りするのでは本末転倒である。

 政権の延命を優先して復興を遅らせることは許されない。

2011年5月14日01時21分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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