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5月14日付 編集手帳

 2年ほど前に本紙の『四季』欄で読んだ俳句がある。〈アロハシャツ着るなら傘は置いてゆけ 山本千代子〉。まだ降り出してはいないらしい。陽光の似合うしゃれたいでたちに雨傘の用意は、なるほど幾らかヤボったくもある◆「雨が降ろうが嵐が吹こうが、手ぶらで(さっ)(そう)と歩いてゆくのがいいのだ」と、長谷川櫂さんが句の心を解説していた。解放感を誘う派手な色と模様、ズボンの外に出した裾――涼しげな風情がこのシャツの魅力だろう◆ハワイの日系人が日本から持参した色とりどりの和服の古着で子供用のシャツをこしらえた。アロハシャツはそれをヒントに生まれたという説もある◆物を大切に、つましく生きる知恵が原点だとすれば、節電と縁がなくもない。環境省はこの夏、職員の軽装化を一段と進めるために、クールビズの上をゆく「スーパークールビズ」を実施する。昨年までは認めていなかったアロハシャツやポロシャツを着て仕事をしてよいという◆やがて梅雨に入る。びしょ()れでは健康にも仕事にも差し障ろう。空模様の怪しいときは、どうぞ俳句のことは忘れて、傘をお持ち下さい。

2011年5月14日01時10分  読売新聞)

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