HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 39048 Content-Type: text/html ETag: "b8ebc-166f-1ed9c0c0" Expires: Tue, 10 May 2011 02:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 10 May 2011 02:21:41 GMT Connection: close 地方分権3法 国と地方の新たな関係を築け : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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地方分権3法 国と地方の新たな関係を築け(5月10日付・読売社説)

 「地方のことは地方が決める」という分権の基本精神に基づき、国と地方が新たな関係を築く一歩としたい。

 地方分権改革の関連3法がようやく成立した。地方自治体の権限拡大を目的とした3法は、昨年の通常国会に提出され、継続審議となっていた。

 政府は今回、条文から「地域主権」という文言を削除する修正を行った。「憲法で定める国民主権との関係が不明」とする自民党などの主張を受け入れたものだ。

 地域に主権があるとする文言のままでは、誤解を招きかねない。政府が修正に応じたのは妥当であり、遅すぎたくらいだ。

 3法の柱の一つは、「国と地方の協議の場」の設置である。条文には「協議の結果を尊重しなければならない」と明記された。

 これは全国知事会などが長年、法制化を求めていたものだ。以前から協議の機会はあったが、地方の意見を国の施策に反映させるための明確なルールはなかった。

 国側は官房長官、総務相、財務相ら、地方側は全国知事会など地方6団体の代表がメンバーとなり、随時議論することになる。

 地方がどこまで説得力のある主張をし、国がどの程度その意見を取り入れるかが問われる。単なる地方の陳情の場では困る。

 もう一つの柱は、国が法令で自治体の施策を縛ってきた「義務付け・枠付け」の見直しだ。地方は、国の基準に代えて、公営住宅や道路などの設置基準を条例で規定できるようになる。

 基準が全国一律である必要性はない。地域の実情に応じた基準になれば、効率化や利便性の向上につながる。例えば都市部では、保育所の待機児童を減らすことを優先し、幼児1人当たりの居室面積を狭くすることが可能になる。

 3法は、分権改革のメニューの一部に過ぎない。国の出先機関の地方移譲など、改革の本丸とも言える抜本策の具体化は足踏みしている。政府は、地方と協議を重ねて実現を急がねばならない。

 全国知事会は先月末、山田啓二・京都府知事を会長とする新たな体制をスタートさせた。

 山田会長が、まず取り組むべき課題として挙げたのは、被災地支援に当たることだ。各自治体の要望を受け止めた上で、国との協議の場を最大限に活用し、建設的な提案をすることが求められる。

 権限が増すにつれて、自治体の役割は大きくなる。地方が分権の担い手として責任を果たすよう、会長は指導力を発揮すべきだ。

2011年5月10日01時13分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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