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5月10日付 編集手帳

 バイオ技術により、見世(みせ)(もの)用として現代によみがえった恐竜がテーマパークの(おり)を破り、人間を襲う。映画にもなったマイクル・クライトンの小説『ジュラシック・パーク』(早川書房)である◆恐竜狩りに出動する監視員にテーマパークの経営者が尋ねる。私の恐竜をどうするつもりだ? 監視員は答えた――「そいつは主語が逆ですね」。こちらがどうこうするんじゃない、事態はもう、恐竜が俺たちをどうするかという段階なんです、と◆物事が制御不能に陥ったとき、主語は逆転する。福島の原発事故現場ではいま、主語の逆転を許さない懸命の作業がつづいている。人間が原発を制御し、「原発が人間をどうするか」という悪夢を現実にしないための闘いである◆静岡県の浜岡原発では全原子炉の停止を菅首相が要請し、中部電力も受け入れた。浜岡原発は30年以内に87%の確率で起きるとされる「東海地震」想定震源域にあり、妥当な判断である。放射能を閉じこめる“檻”に隙はないか、他の地域にある原発も安全確認を急ぐべきだろう◆主語はあくまでも、いつまでも、「人間」でなくてはならない。

2011年5月10日01時31分  読売新聞)

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