HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Tue, 10 May 2011 01:11:10 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:それ以前に行われた主張や発言が「3・11」を境に、一気に“…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2011年5月10日

 それ以前に行われた主張や発言が「3・11」を境に、一気に“浮世離れ”したものになった感じがするケースは、少なくない▼これなど、その最たるものだろう。今年二月に出た電気事業連合会の冊子『原子力発電四季報・冬号/2011』の特集。海外への原発輸出戦略を扱い、タイトルは高らかに「日本の原子力技術が世界から注目されています」▼その後、福島第一原発で起きたこと、それへの東京電力などの対処のお粗末さを考えると、哀(かな)しくさえある。記事の趣旨とは正反対の不安な視線で「日本の原子力技術は世界から注目され」たのだから▼浜岡原発(静岡県御前崎市)の停止を求めた菅首相の要請を受け入れると、昨日、中部電力が発表した。いつ起きてもおかしくない東海地震の想定震源域の真上にあるということは、福島のような事態がいつ起きてもおかしくない、ともいえる。管内の産業や生活への影響は小さくないが、賢明な判断だ▼津波対策の安全性が確認されるまでの措置で、他原発にも波及させないというのが政権の姿勢らしい。だが、もっと広く、エネルギー利用のありかた全体を問い直す端緒とすべきだ▼省エネや節電、再生可能エネルギーの開発。そんな分野に日本の力を傾注し、それで「世界から注目され」るようになってこそ、本当に福島の経験から学んだということになるだろう。

 

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