HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38981 Content-Type: text/html ETag: "b9dca-161b-df042a80" Expires: Sat, 07 May 2011 03:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 07 May 2011 03:21:40 GMT Connection: close 浜岡原発停止へ 地震と津波対策に万全尽くせ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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浜岡原発停止へ 地震と津波対策に万全尽くせ(5月7日付・読売社説)

 菅首相が、静岡県にある中部電力浜岡原子力発電所の全原子炉を停止するよう要請した。

 浜岡原発は、30年以内に87%の確率で発生するとされる「東海地震」の想定震源域のほぼ中央にある。首相の要請は、この「特別な状況」を勘案した結果という。

 その上で政府は、大津波に備えた新たな防潮堤を設けるなど、中長期的な安全対策を確実に実施するよう求める方針だ。

 東日本大震災での教訓を生かそうということだろう。東京電力福島第一原発が、想定外の大津波に襲われ、大事故を起こしたことを踏まえれば、やむを得ない。

 浜岡原発では、五つの原子炉のうち1、2号機は廃炉が決まっている。3号機は定期点検のため停止しており、4、5号機だけが運転中だ。正常に運転している原子炉について政府が停止を求めるのは極めて異例だ。

 だが、浜岡原発は首都圏まで直線で180キロ・メートルの近距離にある。日本の大動脈である東海道新幹線や東名高速道にも近い。

 運転中に事故を起こし放射性物質が放出される事態になれば、日本全体がマヒしかねない。静岡県や周辺自治体も、早急な安全性の向上を求めていた。中部電力は首相の要請を受け入れるべきだ。

 すでに中部電力は、福島第一原発を襲った高さ15メートルの津波に耐える防潮堤を設けるなどの対応を自主的に決めている。従来は8メートルの津波しか想定していなかった。

 原子炉冷却用の電源が失われた福島第一原発の深刻な事故を踏まえて、予備電源の追加配備にも着手している。しかし、それだけで十分なのだろうか。

 東日本大震災では、三陸沖地震に加え、隣接する広い地域で地震が連動し大津波を発生させた。

 東海地震でも、震源域が隣接している東南海、南海を合わせた三つの巨大地震が連動する可能性が指摘されている。その場合、想定をはるかに超える揺れと津波に襲われる可能性も否定できまい。

 政府は、中部電力と協力して対策に万全を期すことが求められる。無論、巨大地震が想定されていない他の地域の原発についても、安全確認が必要だ。

 政府と、電力各社の作業が遅れれば、浜岡原発に限らず各地で原発停止が広がるかもしれない。そうならないよう、政府と電力各社は、対応を急がねばならない。

2011年5月7日01時20分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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