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5月3日付 編集手帳

 「火星人がいたら、どんなにいいでしょう」と語った人がいる。日本文学研究者のドナルド・キーンさんである。震災を機に日本人となって永住する決意をされたことは、先日の小欄で触れた◆鶴見俊輔、瀬戸内寂聴両氏との鼎談(ていだん)『同時代を生きて』(岩波書店)で述べている。もし、いれば「私たちは団結して、火星人に対して皆一緒の地球人(笑)。それは素晴らしい…」と◆きのう、米国から大きなニュースが届いた。国際テロ組織「アル・カーイダ」の指導者ウサマ・ビンラーディン(54)が米国の極秘作戦によって殺害されたという◆10年前の「9・11」同時テロでは日本人にも多くの犠牲者が出た。首謀者追跡の執念を実らせた米当局に敬意を表しつつ、起きるかも知れない報復の“殉教テロ”に警戒態勢を固め、息の長い対テロ戦を貫かなくてはなるまい。それは分かっている◆分かってはいるのだが、日本人はこの震災で、国境、人種、宗教あらゆる垣根を超えたチームプレーに涙したばかりである。同じ地球チームの人間同士がいつまで殺し合うのか…と、キーンさんの夢想が胸をよぎらぬでもない。

2011年5月3日01時21分  読売新聞)

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