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4月30日付 よみうり寸評

 東京から南に358キロ・メートル、八丈島からも68キロ・メートル離れた洋上に浮かぶ青ヶ島は、江戸時代の天明5年(1785年)、大噴火に見舞われた◆島民200人余が八丈島に逃れ、避難生活を送る。名主の佐々木次郎太夫が全島民の帰島を実現させたのは半世紀後のこと。〈青ヶ島のモーゼ〉。民俗学者の柳田国男は「青ヶ島還住記」で次郎太夫を(たた)えた◆異郷の地にありながら、島民は自分たちの名主を(いただ)き続けたという。〈島の悩みの全部を背に負うて、しかも健気(けなげ)に働き続けていたことは、単なる役目柄とは思われぬものがあった〉。名主に関するそんな記述も「還住記」にある◆東日本大震災と原発事故は複数の市町村に集団避難を強いた。住民のまとめ役となる首長たちの苦労はいかばかりか◆米誌タイムが「世界で最も影響力のある100人」に選んだ日本人の1人は、住民の窮状を動画サイトで訴えた福島県南相馬市の市長だった◆「還住」の日は必ず訪れる。その日まで日本全体で被災地のリーダーを支えたい。

2011年4月30日13時19分  読売新聞)

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