HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38373 Content-Type: text/html ETag: "a5351-15cb-ecfca780" Expires: Fri, 29 Apr 2011 20:21:36 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 29 Apr 2011 20:21:36 GMT Connection: close 東北新幹線復旧 余震警戒し安全運行に徹せよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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東北新幹線復旧 余震警戒し安全運行に徹せよ(4月30日付・読売社説)

 震災で被害を受けた東北新幹線が29日、1か月半ぶりに全線で運転を再開した。

 首都圏と東北の主要都市を結ぶ大動脈の復活である。

 ビジネスや観光で人の流れが元に戻り、経済復興が本格化するきっかけになると期待したい。

 東北新幹線は、地震でレールや架線など1200か所が破損し全面運休した。震災前の3月5日にデビューした新車両「はやぶさ」は、1週間で出番を失った。

 その後、懸命の復旧工事で運転を順次再開し、最後まで残っていた仙台と岩手県一ノ関の区間が29日につながった。

 運行本数は震災前より1割程度少ない。一部の区間を減速して運転するため、最短で3時間10分だった東京―新青森間は、約4時間かかるという。

 それでも、飛行機やバス、車などを乗り継いでいた被災地への「足」は格段に向上する。春の行楽シーズンを迎え、東北地方がにぎわう足がかりになろう。

 阪神大震災では、山陽新幹線の完全復旧には3か月を要した。それに比べると、東北新幹線の復旧は早い。観光需要などが見込まれる大型連休までに何とか間に合わせようとしたためだ。

 だが、東京―仙台間が開通した25日には、送電トラブルによる断続的な停電で、5時間近く運転を見合わせる事態を招き、27日にも停電などでダイヤが乱れた。

 早期に運転を再開したのはいいが、点検や安全運行がおろそかになるようでは困る。

 一方、被災者の暮らしを支えてきたローカル線の再建も忘れてはならない。

 太平洋岸の在来線は津波に直撃され、線路や駅舎が流失するなど壊滅的な被害を受けた。青森から福島に至る4県で、JRの7路線、第3セクター鉄道などが今も一部不通となっており、復旧のメドは立っていない。

 鉄道の災害復旧では、国と自治体が費用の半分を補助できるが、赤字経営が大半の3セク鉄道が自社の負担分を捻出するのは難しい。このままでは廃線に追い込まれる可能性さえある。

 国は被災した3セク鉄道などを対象に、復旧費の補助率を引き上げる特例措置を講じるべきだろう。JRも被災路線を切り捨てることなく、地域の生活路線復活に全力を挙げる必要がある。

2011年4月30日01時11分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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