HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 28 Apr 2011 20:10:12 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:ソニー情報流出 侵入の全容解明急げ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

ソニー情報流出 侵入の全容解明急げ

2011年4月28日

 ソニー・グループが世界展開するネットワークサービスが不正侵入された。個人情報が大量流出した恐れがある。利用者への周知徹底と全容解明を急ぎ、ハッカー対策にも万全を期さねばならない。

 流出した可能性がある個人情報は、世界約六十カ国で、最大七千七百万人分にのぼるというから驚きだ。世界的にも過去最大級の流出事件になる恐れが出たわけで、極めて深刻な事態といえる。

 不正侵入を受けたのは、「PSN」と呼ばれる、家庭用ゲーム機「プレイステーション3」を使ったゲームソフトなどの配信サービスだ。液晶テレビで映画や音楽を配信するサービスも被害を受けた。「PSN」は対戦型ゲームなどが楽しめ、全世界に一気に利用者が増えた。ソニー・グループにとっては、次世代型の成長分野だった。このシステムが破られた責任は重い。

 とくに利用者が心配だ。氏名や住所、生年月日、メールアドレス、パスワード…。まさに「個人」を特定する重要情報だけに、もし外部へ拡散する事態となれば、ある「個人」になりすました不正行為も予想されうる。ソニー側はあらゆる手段を使って、利用者に事実を通知し、二次被害を防止すべく努めねばならない。

 クレジットカード番号や支払い履歴なども流出した可能性が排除できない。カード情報を使った不正があれば、財産被害が発生する。利用者は不安でたまらないはずだ。どう対応したらいいのか、その周知も徹底してほしい。

 厳重なセキュリティーをくぐり抜け、どう侵入されたのか、その経緯も検証せねばならない。ソニー側が海外のハッカーを今年一月に提訴、今春に和解した事件もあった。今回もハッカー集団からの攻撃だったのかもしれない。

 ソニー側は情報セキュリティー専門会社に依頼し、実態把握をする。だが、サイバー攻撃は日進月歩で高度化、巧妙化するものだ。地球規模で展開するネットワークサービスには、より頑強な防御が必要と再認識せねばなるまい。

 ゲーム分野は、日本の“お家芸”でもある。ネット上の配信サービスも、ソニーに限らない。他社も、これを機に再点検が迫られよう。

 一昨年には、トヨタ自動車が米国でのリコール・トラブルで、初期の対応のまずさから信用を落とした。日本を代表する企業が対応を誤ると、“お家芸”の信頼も地球規模で失墜しかねない。

 

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