HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 28 Apr 2011 01:10:45 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:訪日観光激減 「日本は元気」発信を:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事

ここから本文

【社説】

訪日観光激減 「日本は元気」発信を

2011年4月28日

 原発事故の影響で外国人観光客が激減している。大型連休には、被災地でも東北新幹線が全線で運転再開し、宮城県・松島の遊覧船運航も復活する。国を挙げて「日本は元気」を世界に見せよう。

 「震災を境に客足がバッタリ。春は書き入れ時なのに」。箱根で外国人相手の国際観光民宿を営む高橋正美さん(63)は嘆く。客室稼働率はたった一割。今もキャンセルは止まらず、国内の誘客に切り替えている。

 立山黒部アルペンルートは全線開通の初日、昨年は約四千人訪れた外国人がわずか六十人ほどだった。春の高山祭も人出は昨年より三割減、外国人の予約キャンセルは二万件を超えた。

 三月の訪日外国人は前年比50%減、震災後に限れば73%減。浅草も、京都も、名古屋城も、あらゆる観光地から外国人が消えている。老舗旅館が倒産に追い込まれてもいる。連休中、成田空港への入国者は半減の予想という。

 世界の主要国は日本への渡航自粛勧告を出している。原発事故が収束しなければ全面解除は望めないだろう。ならば、地域を限定するなど緩和を働き掛けたい。放射能汚染とは無関係の観光地が断然多い。官民が一体となり誤解を解くための情報発信に努めたい。

 溝畑宏観光庁長官は北京で記者会見し、訪日を呼び掛けた。すると、香港の旅行社が日本ツアーを再開した。9・11米中枢同時テロ後のニューヨークでは当時の市長や俳優が観光客誘致の先頭に立った。高橋さんは「首相自身が世界にアピールを」と望む。トップセールスは有効な手段だ。

 各観光地では宿泊費を割り引いたり、一部を義援金に充てたり、あの手この手が試みられている。震災で各国から援助を受けているのだから、国を挙げて恩返しのキャンペーンを企画してはどうか。

 旅行は口コミで広がっていく。観光地を訪れた外国人、日本に滞在している外国人らに、フェイスブックなどインターネットを通じて情報発信してもらえば、効果が期待できるのではないか。大いに知恵を出し合いたい。

 政府は新成長戦略に「観光立国」を掲げ、今年は一千百万人の訪日外国人を目標とする。数字の下方修正は避けられないが、意気込みまで下げてはいけない。観光は年間五十兆円の経済波及効果が見込める一大産業である。日本を元気にする先導役を果たせる。復興する日本を、世界に見てもらうことも貴重な観光旅行になる。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo