HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 25 Apr 2011 22:11:49 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:衆院愛知補選 国政のふがいなさよ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

衆院愛知補選 国政のふがいなさよ

2011年4月25日

 大震災後、初の国政選挙となった衆院愛知6区補選は自民元職が返り咲いた。政権与党は不戦敗、地域政党にも風は吹かなかった。震災復興はもちろん、暮らしに地道に目配りした政治を望みたい。

 前回衆院選で十五の小選挙区を民主が独占した愛知県で、自民が民主王国の一角に何とかくさびを打ち込んだ。補選は民主前衆院議員が二月の名古屋市長選出馬のため辞職したことで実施された。民主は菅政権への逆風を懸念して候補を擁立できず、不戦敗となった。

 統一地方選前半戦で与野党対決となった三重、東京、北海道の三知事選では自民系候補が全勝。愛知県でも名古屋市議選、愛知県議選と民主の連敗が続き、候補すら立てられなかった政権与党には大きな打撃となろう。

 告示後の本紙世論調査では、不戦敗の民主の支持層争奪で、自民元職が減税新人とほぼ互角だった。民主支持層がライバルの自民へ多く流れたのは、政権交代後のマニフェスト不履行や、震災と原発事故の対応でもたつく政権への失望感が大きい。政権与党として、有権者に選択肢を提供できなかったふがいなさを大いに恥じてほしい。

 減税日本が初めて挑んだ国政選挙であり、地域政党の戦いぶりも注目された。だが、河村たかし名古屋市長と大村秀章愛知県知事が応援した減税日本新人は、自民元職に及ばなかった。

 愛知県議選で十九人を公認した減税日本は十三人を当選させたものの、獲得議席はすべて名古屋市内だった。補選の結果は、減税日本への期待は河村人気が高い名古屋市にとどまることを再び示したようだ。地域の声を国政に届ける本当の地域政党に成長するには何が不足なのか、深く考える必要があろう。

 もちろん震災復興のため増税論が高まり、減税の主張には逆風となった面はある。政権批判の受け皿になれず、自民に有利に働いた。そういう中での自民元職の支持拡大だった。

 愛知6区で自民元職は二〇〇五年に小泉旋風で初当選した。〇九年には政権交代の風の中、民主前職が大勝した。風が吹いた後、地道な政治の成果がないことに国民は落胆している。

 世論調査では、補選で最も重視する政策は、原発の安全対策を抑えて、景気・雇用問題がトップだった。地に足の着いた政治を期待したい。

 

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