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天声人語

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2011年4月24日(日)付

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 情報を絞り込んだ小さな記事は、時に多くを語る。今年の政党交付金の初回分、80億円が国庫から支払われたという短信が各紙に出た。震災増税が言われる中、被災者に尽くすべき者が炊き出しに並んでいるような違和感を覚えた▼民主党42億円、自民党25億円。公平を期して続ければ、公明5億6千万、みんな2億7千万、社民1億9千万、国民新党など4党に数千万ずつ。制度に反対する共産党を除く各党に、通年ではこの4倍が渡る▼申請は今月初めというから、義援金が1千億円を突破し、著名人がこぞって私財を供した時期だ。今回だけでも遠慮するデリカシーを永田町に望むのは、どうやら自販機にスマイルを期待するがごとし。民に耐乏を訴えながら示しがつかない▼交付が始まって16年。すでに5千億円の血税が、集散を重ねる政党の金庫に移った。企業や団体の献金に代わるはずが、そちらの功は怪しい。「支持政党なし」が5割の時代、国の施しに頼る政治活動に物申したい納税者もいよう▼復興を背負う財政はさらに苦しい。国民負担を求めるなら、国会議員は歳費カットでお茶を濁さず、定数を削るべし。無論、税からの持ち出しが少ない小党が割を食わぬ方法で。その上で、個人献金を全力で掘り起こせばいい▼交付金の過半を得る民主党では、有事の緊張が早くも解けたか、またぞろ権力争いが始まった。国難は政治家の器を試す。地位と待遇に見合う働きをしているのはどこのだれか、しかと見極めたい。

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