HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 41767 Content-Type: text/html ETag: "15ddc3-16a8-8a20d4c0" Expires: Tue, 19 Apr 2011 22:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 19 Apr 2011 22:21:09 GMT Connection: close 仮設住宅建設 用地と資材の確保に全力を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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仮設住宅建設 用地と資材の確保に全力を(4月20日付・読売社説)

 震災から1か月余、被災地では、現在も13万人以上の人たちがプライバシーのない避難所生活を強いられている。

 被災者たちは、仮設住宅への一刻も早い入居を望んでいるが、建設は大幅に遅れている。国と自治体で知恵を絞り、建設を急がねばならない。

 東北3県を中心に、被災地では計約7万2000戸の仮設住宅建設が必要とされている。完成した所から順次、入居を始める。

 しかし、実際に入居手続きが行われたのは、岩手県陸前高田市の36戸に過ぎない。今月5日に行われた抽選では、入居希望者が殺到して、倍率は32倍に達した。

 大畠国土交通相は19日、5月末までに3万戸を提供できるとの見通しを示した。残る4万2000戸についても、できるだけ早く建設のめどをつけてもらいたい。

 建設が遅れている原因の一つに、用地不足がある。

 津波に襲われた地区は避けたい。瓦礫(がれき)が散乱したままの所も多い。高台の平地が望ましいが、整地された公有地など、建設に適した土地は限られてくる。

 阪神大震災でも用地確保は難航した。やむなく兵庫県は4万8300戸の仮設住宅の多くを、被災した市街地から遠い埋め立て地や郊外に建てた。だが、入居希望者は予想通りには集まらず、4000戸以上が空き部屋となった。

 ほとんどの被災者は、住み慣れた土地の近くの仮設住宅に入居することを望んでいる。地域コミュニティーの維持や、被災者の生活再建も考慮すべきだ。遠方での建設は、できる限り避けたい。

 用地確保のために、農地や工業用地など民有地の使用も検討できないか。従来の土地利用規制を一時的に停止するなど、思い切った対策も必要だろう。

 もう一つの問題は、仮設住宅建設に欠かせない合板や断熱材などの資材が不足していることだ。

 合板製造で全国の約3割を占めていた宮城、岩手両県の工場6か所が被災し、生産を中止した。

 さらに、供給不足や値上がりを見越して、工事業者が必要以上の資材確保に動いたことも品薄に拍車をかけたとみられている。

 資材の買い占めなどにより、仮設住宅の建設に支障が出ることはあってはならない。被災地に資材が十分に行き渡るよう、政府は監視を強める必要がある。

 ただ、仮設住宅は、あくまで仮の住まいだ。恒久住宅の整備など将来の街づくりに向けた復興計画も併せて検討すべきだろう。

2011年4月20日00時55分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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