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4月17日付 編集手帳

 避難所になった岩手県大槌町の高校を取材した本紙記者が、最初に見たのは校内でボランティア活動に精を出す約30人の生徒たちの笑顔だった。炊き出し、トイレ用の水くみ、駐車場の交通整理◆このうち10人は家族の行方がわからない。自身が大津波にのまれ、廃材につかまり生き延びた生徒もいた。「昼間は気丈に振る舞っていますが」。副校長は硬い表情で言ったそうである。「夜、1人になると、真っ暗な校内で突然泣き出すんです」◆闇。嗚咽(おえつ)。その光景を思い浮かべるたびに胸が痛む。せめて福島県郡山市出身の俳優西田敏行さんが、本紙に寄せた被災地への「声援」の言葉を届けたい。「どうか1人の時間を作って、思い切り泣いてください」◆「涙が乾いた後に新たな道が見えてくると私は信じています。皆さんが腹の底からの笑顔を取り戻せるように私も応援を続けていきます」。今必要なのは、子どもたちの心のケアであろう◆被災地の小中高校に、千人以上の学校カウンセラーを配置する準備が進められている。寄り添って、話を聞いてやってほしい。涙が悲しみを少しでも洗い流せばいい。

2011年4月17日01時20分  読売新聞)

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