HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 41050 Content-Type: text/html ETag: "b8570-1651-61fa4300" Expires: Fri, 15 Apr 2011 23:22:11 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 15 Apr 2011 23:22:11 GMT Connection: close がれき処分 自治体の広域連携で乗り切れ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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がれき処分 自治体の広域連携で乗り切れ(4月16日付・読売社説)

 東日本大震災の被災地で、倒壊した家屋などのがれきを撤去する作業が難航している。

 保管所に集めて分別、リサイクルできないものは焼却し、最終処分場に埋めるのが、がれき処理の手順だ。

 しかし、仮置き場すら確保できていない地域が多い。

 本来、災害で発生した廃棄物の処理は市町村の仕事だが、個別に対応できる量を超えている。

 政府は被災地任せにせず、自治体の広域連携の枠組みを作り、早期処理を目指すべきである。

 がれきの総量は宮城、岩手、福島3県で約2500万トンに上り、処理に3年を要した阪神大震災の1・7倍と推計される。

 これは破壊されたビルや家屋の分だけで、自動車や陸上に打ち上げられた船などを含めれば、空前の規模に膨らむだろう。

 政府は処理費用を全額国費で賄う方針を打ち出したが、それだけで十分とは言えない。

 まず保管場所の手当てが必要だ。被災地では、仮設住宅用地などと重なることが多く、仮置き場不足は深刻である。公園などを活用している地域にしても、すでに満杯になっているのが現状だ。

 アルバムなど思い出の品の仕分け、がれきの価値を判別する作業などにも手間取っている。

 家屋や船、車などを撤去する場合、原則として所有者の承認が必要だ。このため、自治体は、所有者の意向確認を急いでいる。

 だが、居場所が分からなかったり、連絡が付いても、保存を求められたりして処理が進まないケースが続出している。

 政府は、完全に壊れた家や車、船などは、所有者の承認なしに撤去できるとの指針を示したが、最終判断は現場任せだ。これでは自治体も戸惑うばかりだろう。

 損害認定の専門家らを自治体が活用する費用を、国が補助するといった支援が必要ではないか。

 今回、地震で地盤沈下した海岸地帯が少なくない。がれきのうち、コンクリート材などを投入して地盤を強化し、防風・防潮林などに再生させる手もあろう。

 阪神大震災で兵庫県は、がれきの多くを神戸市の臨海部などに埋め立て、一部は各地の自治体に処理を委託した。

 ただ、遠浅の海が少ない三陸地方で、がれきを大規模に埋め立て処分するのは難しいのが実情だ。関東や北海道など他の地域に多くを搬送し、処分せざるを得まい。政府は全国の自治体に協力を呼びかけるべきだ。

2011年4月16日01時17分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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