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4月9日付 編集手帳

 【い】〈いのちからがら故郷(ふるさと)へ〉からはじまる。『震災かるた』が売り出されたのは関東大震災の約4か月後、1924年(大正13年)の正月という◆80年以上も前の作品だが、いまの世に通じるものもある。【お】〈親子兄弟ちりぢりに〉がそうだし、【な】〈涙ではなす その当時〉もそうだろう。日々の新聞やテレビを通じて接した、ちりぢりの悲劇や恐怖の回想は数えようにも数えきれない◆一昨日の深夜、東日本大震災の余震としては最大となる震度6強が仙台市などを襲った。【よ】〈余震たくさんびくびくと〉は、いまもつづく◆【け】の句に「原発」の文字はなく、【ほ】の句に「放射能」の文字はない。いろはカルタも所詮(しょせん)は言葉遊びであり、遊びである。現場作業員の苦闘と、周辺住民の深刻な不安を思うとき、「いまなら、たとえば【け】は…」と、いかなる種類の遊びにも手を染める気になれない◆【く】〈九月一日忘られず〉。9・1の関東、1・17の阪神・淡路につづき、「大震災」の歴史に忘れることのできぬ日付を刻んだ3・11からまもなく1か月――なお、災害のただなかにある。

2011年4月9日01時13分  読売新聞)

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