
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 42771 Content-Type: text/html ETag: "100288-1cbe-b24f0f80" Expires: Fri, 08 Apr 2011 02:21:37 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 08 Apr 2011 02:21:37 GMT Connection: close
![]() 政治の役割 復興の青写真を早急に示せ(4月8日付・読売社説)◆期限付き大連立で強力政権を◆ 日本は今、未曽有の事態に直面している。 避難所や被災地で暮らす何十万人もの被災者の生活再建を急がねばならない。危機の連鎖の中にある福島第一原子力発電所の事故を一刻も早く収拾し、事後処理を円滑に進める必要がある。 だが、政府と与野党の対応は立ち遅れており、十分とは到底言えない。早急に復興計画を策定し、衆参ねじれ国会下でも必要な立法措置が迅速にとれるよう、新たな体制を整えるべきである。 ◆地元の意向を尊重せよ◆ 菅政権は震災1か月の11日までに、被災地の復興の青写真を描く有識者機関「復興構想会議」を設置する方針だ。議長には 1995年の阪神大震災の時には「阪神・淡路復興委員会」が発足し、委員長の下河辺淳・元国土事務次官や兵庫県知事、神戸市長らが、様々な提言をまとめた。 復興構想会議は、それをモデルにしている。今月中に発足する政府の「復興本部」(仮称)が、復興構想会議の提言を受けて、具体的な復興計画を策定し、執行するという段取りだ。 重要なのは、地元関係者の意向を最大限尊重することだ。被災地の実情を最も良く知り、復旧・復興の主導的な役割を担うべきは、地元の首長や経済界である。 従来の防災体制の不備を検証しつつ、新たな「地震・津波に強い町」をいかに作るか、積極的にアイデアを出してもらいたい。 ◆官僚のフル活用がカギ◆ 形ばかりの「政治主導」を排して、実務に通じた官僚組織をフル活用することも大切である。 震災後の被災者支援では、菅首相らの官僚不信と、官僚側の「指示待ち」姿勢との悪循環によって、政府の対応が後手に回った。 首相官邸も、多くの会議や本部が乱立して混乱し、司令塔の役割を十分果たせていない。 復興の段階では、復興本部の事務局が司令塔役を担う。阪神大震災と比べて作業量が膨大になる見通しだが、肥大化した組織とせず、各府省を効率的に動かすことを第一に考えるべきだろう。 復旧・復興に必要な特別立法については、民主党の作業チームが、関連法案の素案をまとめた。だが、素案の「特別税の創設」には党内からも異論が噴出している。まず党内でしっかり議論し、意見を集約してもらいたい。 衆参ねじれ国会で、関連法案を成立させるには野党の協力が欠かせない。与野党が協議する場を早期に設ける必要がある。 ◆バラマキ撤回が大前提◆ 政府・与党内には、自民、公明両党から閣僚を起用して、大連立による強力な「救国内閣」を組織すべきだ、との声がある。 菅首相は、自民党の谷垣総裁に入閣を直接打診し、拒否されたが、なお自民党や公明党との連立に前向きだという。だが、どこまで本気なのか、疑問もある。 谷垣総裁が「政策のすり合わせもないところでの連立はあり得ない」と言うのはもっともだ。 連立を組むには、基本政策の合意が大前提だ。自公両党は民主党が政権公約で掲げた子ども手当などバラマキ施策を撤回し、それで浮く財源を復旧・復興に回すよう求めている。当然だろう。 これに十分配慮せず、連立で責任の分担を求めれば、「民主党政権の延命に手を貸すだけ」という野党内の反発が強まるだけだ。 自公両党には菅首相への不信感が強い。世論調査でも、多くの国民が首相の指導力不足を認め、大連立による強力な政権で震災対策を進めるべきだと考えている。 野党側に連立の参加を求めるなら、首相は、その条件整備のために、野党の主張を大胆に受け入れる覚悟を示さねばならない。 民主党がバラマキ施策の撤回を含めて政策合意の環境を整えた場合、自公両党は連立参画を否定すべきではなかろう。 連立を組むのは、大幅な会期延長も想定される通常国会で、震災対応の一定のめどがつく数か月間と期限を切ればいい。 当面の焦点は、第1次補正予算だ。自公両党は編成段階から協議に参加し、与党として培った経験を生かしてもらいたい。赤字国債発行のための特例公債法案成立にも協力すべきだ。 今回の震災を、日本に新たな安定した政治体制を築くための機会にしなければならない。 (2011年4月8日01時34分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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