HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 41410 Content-Type: text/html ETag: "392029-164d-fd827380" Expires: Tue, 05 Apr 2011 21:21:43 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 05 Apr 2011 21:21:43 GMT Connection: close 浦安市選挙拒否 有権者本位で善後策を探れ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

浦安市選挙拒否 有権者本位で善後策を探れ(4月6日付・読売社説)

 東日本大震災により液状化の被害が出た千葉県浦安市で、統一地方選のひとつである千葉県議選が告示されながら、実質的に行われない異常な状態になっている。

 予定通りの実施を求める千葉県選挙管理委員会と、被害の状況が深刻で実施できないとする市側が対立しているためだ。

 混乱が長引けば、候補者だけでなく有権者にも迷惑が及ぶ。市と県選管は、互いに歩み寄り、事態の早期収拾を図るべきだ。

 面積の4分の3が埋め立て地の浦安市は水道やガスが寸断され、一時は全世帯の半数の3万7000世帯が、小中学校に置かれた給水所や仮設トイレに通う生活を強いられた。今も5000世帯が下水道の使用を制限されている。

 浦安市は、県議選と浦安市議選の延期を申し入れたが、県選管は却下した。市役所の建物が倒壊せず、行政機能を喪失していないことや、選挙人名簿が消失していないことを理由に挙げた。

 市側は、復旧作業のため人手が足りないと反発して、県議選の期日前投票所やポスター掲示板の設置、投票用紙の郵送といった選挙事務を拒んでいる。

 この結果、定数2に3人が立候補した浦安市選挙区では、10日の投開票は不可能になった。当選者がいないとして、日を改めて再選挙せざるを得ない状態にある。

 県選管は浦安市の対応を批判するが、そもそも県選管の判断が妥当だったのかどうか。

 総務省は震災を受け、統一選の一部延期を認める特例法を制定した。この適用を受けた自治体は岩手、宮城、福島3県と49市町村にのぼるが、行政機能を維持している自治体も少なくない。

 千葉県選管は、浦安市だけの事情で県議選全体を延期できないと考えたのだろう。

 だが、被災地の現状を最も的確に把握しているのは市町村の首長だ。市側の意向にもう少し配慮していれば、事態がここまでこじれることは防げたはずだ。

 浦安市の対応にも疑問がある。県選管は選挙事務にあたる応援要員の提供を申し出たが、これを受け入れなかった。

 浦安市は4日、市議選については、復旧が進んだことを理由に予定通り24日に実施することを決めた。そうであれば、県議選を拒む理由もなくなるのではないか。

 市と県選管はこれを機に双方が矛を収め、再選挙の日程など善後策を協議してほしい。大切なのは有権者本位で考えることだ。

2011年4月6日01時01分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です