HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 40446 Content-Type: text/html ETag: "153fa1-1609-d88e9400" Expires: Sat, 02 Apr 2011 21:21:06 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 02 Apr 2011 21:21:06 GMT Connection: close 通信網復旧 災害に強い情報基盤を築こう : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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通信網復旧 災害に強い情報基盤を築こう(4月3日付・読売社説)

 家族の安否を一刻も早く確かめたい。自分の無事も伝えたい。それなのに、つながらない電話をもどかしく思った人も多かろう。

 巨大地震が東北地方の通信網を寸断した。災害時には、被災状況や安否を確認する通信手段の確保が極めて重要となる。水や食料などと同様に命綱である情報インフラを、より強固なものにしなければならない。

 今回の震災で不通になった家庭などの固定電話は150万回線、阪神大震災の5倍にのぼった。

 かつては災害に強いとされた携帯電話も、ほとんどつながらなかった。電波を中継する基地局が1万4000か所で使えなくなり、利用者が殺到して回線がパンクしないよう接続制限したからだ。

 通信会社には、災害に強い施設の整備やサービスの提供を求めたい。携帯電話網を支える基地局は停電すると電源が短時間で切れ、機能しなくなる。電源機能を強化し、行政機関や病院、避難施設などの利用を最優先すべきだ。

 公衆電話の重要性も再認識したい。災害時には一般の電話より通話が優先されるが、10年間で半減した。配置状況を確認し、必要な台数を確保すべきである。

 今回の震災では、音声通話に代わり、メールや災害伝言板、ツイッターなど文字情報の新サービスが力を発揮した。文字情報は音声に比べ瞬時に送信でき、つながりやすい。利用者は、普段から多様な通信手段を考えておきたい。

 自治体も、インターネット時代に対応した災害情報のあり方を検討しておくことが必要だ。

 緊急地震速報のように、一定の範囲内にある携帯電話に文字情報を一斉送信するサービスがある。これを拡充し、津波警報や避難勧告などを流す手もあるだろう。

 岩手県や宮城県は、各地に分散した被災者の氏名を検索できるようにした。避難所にいても自分の居場所を知らせる手段を奪われた人が少なくなかったためだ。

 自治体がネットを積極活用すれば、被災者にきめ細かい生活情報を送れる。肉親を捜して避難所を回る人たちにも役立つ。こうした取り組みを拡大してほしい。

 災害時にネットや携帯メールが大きな役割を果たすようになれば、それを使える人と使えない人の情報に差が出かねない。高齢者などの「接続格差」をどう解消するかが、今後の課題となろう。

2011年4月3日01時15分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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