HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 39591 Content-Type: text/html ETag: "5a3b4-127c-3f654480" Expires: Fri, 01 Apr 2011 20:22:16 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 01 Apr 2011 20:22:16 GMT Connection: close 4月2日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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4月2日付 編集手帳

 カタカナで表記すると、若い息吹と躍動感の伝わる言葉がある。「漫才」と違う「マンザイ」が登場したときがそうだったし、あす決勝を迎える春の甲子園「センバツ」(選抜高校野球)も一例だろう◆〈選抜を何故カタカナでセンバツと書くのだろうと思いつつ春 京都市・峰尾秀之〉。以前、『読売歌壇』に載った一首の疑問はまことにもっともながら、漢字ではない「センバツ」からは春の青空に響く白球の音が聞こえてくるのもたしかである◆若い息吹ではなく苦い吐息を、躍動感ならぬ焦燥感を、ともなうカタカナもある◆世界の目が「フクシマ」にくぎ付けされて3週間になる。初動のつまずき、遅い情報、放射性物質の分析ミス…等々、原発事故をめぐる東京電力の対応にはいくつもの混乱があった。後ろから鉄砲を撃たぬように、個々の不手際を(とが)め立てする筆は抑えてきたつもりだが、放射能の封じ込めは長期戦に移りつつある。東電にはここでもう一度、(かぶと)の緒を締め直してもらおう◆豊かな実りと、美しい風景と――天の恵みが地に結晶したような漢字の「福島」に、早く戻さねばならない。

2011年4月2日01時53分  読売新聞)

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