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3月29日付 よみうり寸評

 〈さまざまの事おもひ出す桜(かな) 芭蕉〉――久々に郷里の伊賀上野を訪ね花見をしたときの句。桜を見てさまざまな思い出が浮かぶ◆きのう28日、東京の都心でソメイヨシノが開花した。平年と同じというが、今年はなぜか遅いような気がしていた。一番近い桜の記憶、去年の開花に比べると6日遅いせいかもしれない◆あるいは、地震、津波、原発と重いニュースが連日続き、無意識のうちにも明るい便りを待っていたからかもしれない。北の被災各地に桜はまだ早いし、花見の気分などとんでもないことだろう◆が、いずれ桜前線は北上する。そのときに思い出すさまざまの事を推し量ると胸が詰まる。去年、その花をともに見た肉親、友人がいないことの寂寥(せきりょう)◆すでに故郷を離れ、避難先の他郷で今年の桜を見る人も多い。避難するかどうかを決めかねている人なら、まだ、どこの桜を見るのかさえ定かでない◆一部地域だが、ようやく仮設住宅の建設も始まった。来年の桜はどんな思いで見ることになるのだろうか。

2011年3月29日13時40分  読売新聞)

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