HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Wed, 30 Mar 2011 00:08:37 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:プルトニウム 周辺地域の検査を急げ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

プルトニウム 周辺地域の検査を急げ

2011年3月30日

 微量とはいえ、猛毒のプルトニウムが福島第一原発内で検出されたのは、極めて憂慮すべき事態だ。今後の作業に支障をきたす恐れもある。周辺地域に飛散していないか検査を急ぐべきだ。

 検出されたプルトニウムの量は、国内で通常、検出される量と比べると、最大で三倍以上の値を示した。原発の事故に起因していることは間違いない。

 3号機ではウランとプルトニウムを混合した燃料を使っているが、他号機のウラン燃料でも、燃えれば、プルトニウムは生成される。枝野幸男官房長官は、原発の燃料の一部が溶融したことの「裏付けだ」と説明した。

 燃料が冷却されず、「空だき状態」になり、燃料の損傷が進んでいることを示している。原子炉の中枢である圧力容器に何らかの“異変”が起きていることも想像される。なぜ猛毒物質が放出されたのか、その原因を早く究明してもらいたい。

 プルトニウムは放射能の量が半分になる半減期が極めて長い。アルファ線と呼ばれる放射線は透過力は弱いが、いったん人体に取り込まれると、肺などに付着して、がんを引き起こす恐れが強い。東京電力は今のところ「人体に影響のないレベル」という。

 ヨウ素やセシウムとは異なり、重く、遠くまでは飛ばないとされる。だが、毒性が強いだけに、どれだけの量が、どこまで飛散しているのか、知りたい。

 注意したいのは、検査された土壌の採取は、二十一日午後から二十二日朝にかけてだ。二十八日の発表まで、分析にこれだけの時間がかかるものなのか。その後の検出量も含め、周辺地域での詳細な検査を急ぎ、正しい情報を素早く公表してほしい。

 2号機のタービン建屋の外側にある立て坑などにたまった水から、一〇〇〇ミリシーベルトを超える高い放射線が測定されたことも深刻だ。溶融した核燃料と触れた水がタービン建屋を経由して、流れ出たとみられている。

 原発事故に際しては、「止める」「冷やす」「封じ込める」が鉄則だ。だが、原子炉を冷やすために入れた大量の水が、逆に放射線を拡散したわけで、封じ込め策に“ひび”が入ったことを意味する。

 今後、封じ込めつつ、冷やすという、二律背反の作業が強いられる。困難を極めるが、漏水箇所の特定を急ぎ、修復に全力を挙げるほかはない。

 

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