HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 40679 Content-Type: text/html ETag: "95316-166d-6e811100" Expires: Mon, 28 Mar 2011 23:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 28 Mar 2011 23:21:40 GMT Connection: close 欧州財政危機 EUはポルトガル支援を急げ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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欧州財政危機 EUはポルトガル支援を急げ(3月29日付・読売社説)

 財政危機のポルトガルが、欧州連合(EU)に支援を求めるかどうかの瀬戸際に立っている。

 欧州で財政危機が深刻化したのはギリシャ、アイルランドに続き3か国目だ。

 危機の連鎖に歯止めをかけねばならない。EUの迅速な対応が必要だろう。

 昨春のギリシャ救済を機に、EUは国際通貨基金(IMF)と協調融資の枠組みを作り、昨年末にはアイルランドを支援した。その後、ひとまず危機は収束し、通貨ユーロも安定してきた。

 しかし、かねてから財政悪化が問題視されてきたポルトガルで最近、金融不安が再燃し始めた。

 ポルトガルの財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は、2010年に7・3%に達したとみられる。政府は11年に4・6%に引き下げ、12年にはEU基準の3%以内に抑える目標を掲げる。

 そのため、政府は、社会保障費削減などを柱にした財政緊縮案を議会に提出したが、野党の反対で否決された。ソクラテス首相は辞意表明に追い込まれた。

 政治的な混乱で、財政再建計画は頓挫するとみられる。低成長の長期化に伴い、税収も伸びない。財政健全化の先行きが一段と不透明になってきた。

 その結果、ポルトガルの10年物国債の流通利回りは、ユーロ導入後の最高値である8%超に急上昇した。財政危機に対する市場の厳しい見方を示したと言える。

 ポルトガルは4月と6月に合わせて約92億ユーロ(約1兆円強)という国債の大量償還を控える。利回りの上昇で、高コストの財政負担に耐えられなくなる恐れがあり、財政運営は綱渡りだ。

 債務不履行(デフォルト)という最悪の事態を回避するには、EUへの支援要請が避けられないという見方も強まっている。

 先週末のEU首脳会議は、財政危機国を支える欧州金融安定基金(EFSF)の融資枠を拡充する方針で合意した。安全網となる支援体制の強化は適切な措置だ。

 EUはポルトガルへのEFSFの早期活用を検討するとともに、経済を活性化させる支援策も強化すべきだ。状況がさらに悪化する前に先手を打つ必要がある。

 対応が後手に回れば、同じく財政再建の途上にあるスペインに危機が波及しかねない。ギリシャとアイルランドも、将来の債務返済にまだ不安を抱えている。

 世界経済を安定させるためにも、EUは欧州危機のこれ以上の拡大を封じ込めねばならない。

2011年3月29日01時27分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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