HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 40950 Content-Type: text/html ETag: "15d983-16b4-27e4ae00" Expires: Mon, 28 Mar 2011 03:21:42 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 28 Mar 2011 03:21:42 GMT Connection: close ボランティア 善意が生きる場を作りたい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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ボランティア 善意が生きる場を作りたい(3月28日付・読売社説)

 被災地の避難所で、不便な生活を強いられる住民たちを見て、少しでも役に立ちたいと思った人が多いのだろう。

 ボランティア志願者が急増している。善意を生かして被災者の生活再建につなげたい。

 東日本巨大地震の被災地には、過去の大災害でボランティア経験がある100以上の民間活動団体から先遣隊が送り込まれ、第2、第3陣がこれに続いている。

 宮城県石巻市の災害ボランティアセンターは累計で約600人を受け入れた。支援物資の仕分けなどに当たってもらっている。

 センターは、地元の社会福祉協議会が作る受け入れ窓口だ。被災地が必要とする物資や作業の情報を集めて発信し、要請に応えられるボランティアを素早く集める役割を担っている。

 被害が甚大で、センターの設置さえできない地域もあった。他県からの応援部隊の力も借り、少しずつ受け皿整備は進んでいる。

 仕事は医療など専門知識が要るものから、瓦礫(がれき)撤去、炊き出し、雑用など幅広い。地域事情を丁寧に説明し、仕事内容を具体的に教えることが活動を円滑にする。

 忘れてならないのは、ボランティアは食料や衣服、就寝場所などすべてを自前で確保する「自己完結型」が鉄則ということだ。

 経験豊かなボランティア団体は即戦力になるが、未経験者が個人で被災地に入ってトラブルになることは避けなければならない。

 道路事情の悪さや燃料不足もあり、今も受け入れるボランティアを地元住民に限っている地域もある。これから現地に行こうと考えている人は、事前に十分な情報を集めることが何より大事だ。

 被災者が他県に集団で避難する例が増えている。

 福島県双葉町民の一時避難先となったさいたま市の施設では、1000人のボランティアが被災者を迎えた。その後も連日、数百人が世話役を買って出た。

 今後、被災者の「疎開」先でのきめ細かい支援も、ボランティアの重要な仕事になるだろう。

 阪神大震災では、最初の2か月で延べ100万人ものボランティアが活動した。期間は最終的に4年を超えた。今回は、人数も年数もこれを大きく上回るだろう。息の長い支援活動が求められる。

 ボランティア休暇制度を使って組織的な派遣を検討する企業も出始めた。物資の輸送費や交通費などボランティア団体の活動資金を支援しようという企業もある。

 この動きをさらに広げたい。

2011年3月28日01時16分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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