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震災2週間 災害弱者への支援が最優先だ(3月26日付・読売社説)

 東日本巨大地震の発生から2週間が過ぎた。

 突然の地震と大津波に幸せな暮らしを奪われた被災者。町ごとのみ込まれ、瓦礫(がれき)の山と化した被災地。惨状に言葉もない。

 犠牲になった人は、確認されただけで1万人を超えた。行方のわからない人は少なくとも1万7000人に上る。

 改めて、亡くなった方々にお悔やみを、被災者にはお見舞いを申し上げたい。

 お年寄りなど「災害弱者」が大勢、犠牲になっている。

 読売新聞が岩手、宮城、福島、茨城、千葉の5県で年齢の分かっている犠牲者2853人について調べたところ、70歳以上が5割近くに上っていた。60歳以上に広げると6割を超える。人口に占める割合の約2倍の比率だ。

 津波から逃れるには、とにかく急いで高い場所を目指すしかない。独り暮らしで避難の呼びかけが届かなかった人、体が思うように動かなかったお年寄りたちは、高台やビルの上階などにたどり着けなかったのだろう。

 阪神大震災でも犠牲者の半数は60歳以上だった。その後も大規模災害のたびに、高齢者や、体に障害を持つ人たちの逃げ遅れが問題になってきた。

 政府は市町村に対し、「災害時要援護者」の避難支援計画を作るよう求めている。だが、総務省消防庁の全国調査によると、計画を作り終えた自治体は、昨年度末で63%にとどまっている。

 個人情報保護を偏重するあまり名簿作成に消極的だった自治体もあるという。全市町村で計画を作成し、災害に備えるべきだ。

 今も1都15県の2000近い避難所で、24万人以上が不自由な生活を強いられている。

 避難所では、災害弱者への目配りが大切だ。持病を抱え、苦しんでいるお年寄りも多い。

 医療と介護のスタッフや医薬品を十分に届けたい。体調の悪い人や要介護度の高い人などを、被災地外の病院や施設が速やかに受け入れられるよう、自治体間で連携して支援する必要があろう。

 仮設住宅の建設と併せ、各地の公営住宅が被災者を受け入れる準備を始めた。建て替えのため休業中だった都心のホテルも提供を申し出た。歓迎すべき動きだ。

 入居を始める順序も、高齢者や障害者、乳児を抱える家族などを最優先にしてもらいたい。

2011年3月26日01時10分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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