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3月25日付 よみうり寸評

 〈波ふえて卒業の日の沖みえず 藤田湘子〉――歳時記の解説によれば卒業の日の海は限りなく広がる未来の象徴。しかし現実は厳しい◆卒業後の人生を「沖みえず」と言ってとめている。「波ふえて」は押し寄せる困難がすでに迫っていることの暗示だという◆巣立ちの季節にこの句は重い。巨大地震と大津波の後に卒業式を迎えた今年はとりわけつらく胸にしみる。波、沖の記憶が鮮烈すぎる。超のつく強烈な波に見舞われたばかりなのだ。きょう25日であの日から2週間。25日現在の死者1万35人、行方不明1万7443人◆日に日に伸びるこの数の行き着く沖はまだ見えない。避難所で卒業式を行った学校、津波をくぐり抜けた卒業証書を渡された子◆だが、一方には、全校児童108人のうち7割が行方不明や遺体で発見という宮城県石巻市立大川小のような悲劇もある。下校直前に校舎ごと津波にのみこまれた◆過酷な巣立ちの季節。さまざまなかたちで迎えた卒業の日、たくましく波を乗り越えるように祈る。

2011年3月25日14時31分  読売新聞)

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