HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 40445 Content-Type: text/html ETag: "adf45-163b-d398a040" Expires: Wed, 23 Mar 2011 00:22:07 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 23 Mar 2011 00:22:07 GMT Connection: close みずほトラブル 復旧と再発防止に万全を期せ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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みずほトラブル 復旧と再発防止に万全を期せ(3月23日付・読売社説)

 大手銀行として、全くお粗末な事態と言わざるを得ない。

 みずほ銀行で15日から振り込みの遅れや現金自動預け払い機(ATM)の停止など、大規模なシステム障害が起きている。

 1週間にわたり送金や決済を滞らせた責任は重い。しかも、東日本巨大地震で経済の混乱が心配される中での不手際だ。

 みずほ銀行は正常化を急ぐとともに、再発防止に万全を期すべきだ。事態が収拾すれば、責任者の処分も必要となろう。

 今回のトラブルは、15日に38万件の振り込みが実行できなかったことが発端となった。次々に未処理の取引が膨らみ、最大116万件に拡大した。17日と18日には一時、ATMもストップした。

 19日からの3連休に、ATMの全取引を止めて復旧に努めた。22日の昼過ぎに、不具合の多くは解消したが、これで完全復旧するかどうか、予断を許さない。

 みずほの大規模なシステム障害は、2002年4月に続いて2度目となる。前回は、旧富士銀行など3銀行の再編に伴うシステム統合の失敗が原因だった。公共料金の二重引き落としなどで約250万件の取引が滞り、正常化に1か月を要した。

 今回は、震災義援金の受付口座に、振り込みが集中したことが引き金になったとされる。こうした状況は、どの大手銀行でも同じであるはずだが、トラブルは報告されていない。

 みずほ銀行のシステムは、大手銀行にしては処理能力が不足しているとの懸念が拭えない。

 02年のトラブルの後、システムの欠陥がきちんと改善されたかどうか、みずほは徹底的に検証する必要がある。

 トラブルが顧客に及ぼす影響への目配りも欠かせない。振り込みの遅れが原因で手形の決済ができず、倒産扱いになった中小企業はないか。住宅ローンを期限までに払えなかった個人はいないか。行き届いた対応が求められよう。

 25日は給与振り込みがピークとなる。年度末も迫り、企業の決済が急増する。大規模な障害の再発は避けねばならない。みずほ銀行は、振り込みの一部を他の銀行に肩代わりしてもらう臨時対応を取るという。当然の措置だ。

 金融決済は社会の重要なインフラである。大規模なシステムトラブルに備え、主要な銀行グループが補完し合う仕組みを作れないか。金融業界をあげて、検討すべき課題だろう。

2011年3月23日01時34分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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