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3月22日付 よみうり寸評

 〈孫の可愛(かわい)いのと向こう(ずね)の痛いのは堪えられぬ〉という。〈子よりも孫が可愛い〉ともいう◆孫の可愛さは格別ということの表現だ。宮城県石巻市の阿部寿美(すみ)さん(80)は今、孫で高校1年の(じん)さん(16)の可愛さに加え、頼もしさをかみしめていることだろう◆孫は甘やかされがちで〈(ばば)育ちは三百安い〉などともいう。が、石巻のこの祖母と孫はそんなことわざも覆してみせた。二人は地震と津波で倒壊、流された自宅の瓦礫(がれき)の中から9日ぶりに救出された。自宅2階部分の天井と台所のわずかな空間で励まし合って生き残った◆冷蔵庫のドアが開けられた幸運。水やヨーグルトなどで命をつなぐ。2階のため水にぬれない布団が使えて氷点下の酷寒もしのげた◆72時間が救出の分岐点などという。9日ぶりの生還は奇跡的だ。極限状態を耐えた末、孫は隙間を見つけ、自力で屋根に脱出。救援を呼び、動けない祖母を助けた◆父の明さん(57)がこう言った。「任は大したやつだと思っていた。それを証明してくれて頼もしい」

2011年3月22日13時37分  読売新聞)
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