HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 41690 Content-Type: text/html ETag: "14eb0b-16a0-1a3f1200" Expires: Mon, 21 Mar 2011 21:21:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 21 Mar 2011 21:21:40 GMT Connection: close 自衛隊派遣 行政と連携し効果的支援を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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自衛隊派遣 行政と連携し効果的支援を(3月22日付・読売社説)

 自衛隊が過去最大の10万人体制で、東日本巨大地震の被災者支援や原子力発電所の事故対策に取り組んでいる。

 衣食住を自力で賄う能力と装備を持つ「自己完結型」の訓練された実力組織だからこそ、原発への放水も含め、厳しい任務を遂行できる。自衛隊は、長期に及ぶのが確実な支援活動に引き続き全力を挙げてほしい。

 阪神大震災の当時は、一部の自治体に「自衛隊アレルギー」が残っていた。だが、その大震災での人命救助や復旧支援の実績が転機となり、自衛隊と自治体の協力体制は、防災計画策定や共同訓練を通じて、格段に強まっている。

 今回の地震被害は、甚大なうえ、極めて広範囲に及ぶ。行政機能が壊滅状態の自治体もあり、自衛隊の活動には困難が伴う。

 自衛隊の総定員の約4割を被災地に投入する異例の体制でも、十分とは言い切れない。関係自治体との連携を一層深め、より効果的な支援を目指す必要がある。

 食料などの物資輸送でも、民間に任せられる部分は民間に任せ、自衛隊は、より道路状況の悪い末端の避難所への輸送を担うなど、役割分担に知恵を絞るべきだ。

 自衛隊は今回、陸海空3自衛隊の統合部隊を初めて設置した。陸自の東北方面総監に指揮系統を一元化することで、より迅速・円滑な活動が期待できよう。

 自衛隊OBの予備自衛官も初めて招集された。別に本業を持ち、年間の訓練日数は5〜30日しかない。正規の自衛官と同等の活動は望めないが、非常時にあらゆる手段を尽くすのは当然だ。

 自衛隊と米軍による共同支援活動も本格化している。

 「トモダチ作戦」と命名された米軍の活動では、原子力空母ロナルド・レーガンが三陸沖に展開し、自衛隊や米軍のヘリによる捜索・救難や物資輸送の拠点となった。在沖縄海兵隊も、仙台空港のがれき除去活動などに従事した。

 多くの国が日本を支援する中、米国の支援は質、量ともに突出している。同盟国の迅速かつ大規模な支援に、率直に感謝したい。

 一昨年の政権交代以降、在日米軍の駐留意義に疑問を示す向きもあった。それでも、米軍が真剣に被災地支援に取り組んでいるのは、長年築いてきた日米の信頼関係の賜物(たまもの)にほかならない。

 自衛隊と米軍は従来も、海外でのテロ対策や災害派遣、共同訓練などで連携を重ねてきた。今回の協力を、日米同盟を深化させるための重要な一歩としたい。

2011年3月22日00時51分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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