HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 22 Mar 2011 02:11:20 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:今年二月に発売された科学雑誌「Newton」の別冊号が偶然…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2011年3月22日

 今年二月に発売された科学雑誌「Newton」の別冊号が偶然、超巨大地震を特集していた。震源域の面積と、ずれた断層の面積を積算した直方体を使った地震エネルギーの図解が分かりやすい▼マグニチュード(M)9・5だった一九六〇年のチリ地震は、直下型だった阪神大震災の数千倍の規模で示されていた。広範囲に断層が動く超巨大地震の破壊的な力に目を奪われた▼東日本大震災(M9・0)は震源域の長さが約四百キロ、幅二百キロで、断層のずれが平均二十メートルという観測史上で四番目の超巨大地震だった。津波は水深六十三メートルに設置された世界最深の防波堤や総延長二・五キロの要塞(ようさい)のような防潮堤も砕いた。人知をあざ笑うような自然の力に打ちのめされる▼福島第一原発を襲った津波の高さは、少なくとも十四メートルだったことが分かった。東京電力は最大で五メートル程度しか想定していなかったが、三陸沖地震では十五メートルを超えた地点はいくつもあった。一度事故を起こせば破滅的な災厄をもたらす原発で「想定外」という言い訳は通じない▼菅直人首相はきのう、放水活動などに尽力する人たちを激励する予定だったが天候不良を理由に見送った。福島第一原発では夕方、原因が分からない黒煙が3号機から上がり、放水を中断するなど現場に緊張が走った▼首相が官邸から離れる時期ではないのは明らかだろう。

 

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