HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 19 Mar 2011 20:12:24 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:辛辣(しんらつ)な人間観察で知られるフランスの作家ラ・ロシ…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2011年3月19日

 辛辣(しんらつ)な人間観察で知られるフランスの作家ラ・ロシュフコーに<真の勇気は目撃者のいない場合に示される>という箴言(しんげん)がある。自衛官、警察官、消防士、東電の作業員…。テレビには映らないが、制御が困難な福島第一原発で奮闘する人たちほど、この言葉が当てはまる人たちはいない▼決して大げさではなく、日本を救う重責は彼らの双肩にかかっている。世界が注視する中、どうか激務を成し遂げ、帰りを待つ人のところに無事に戻ってほしい。そう願うばかりだ▼東日本大震災はきのう午後二時四十六分、発生からちょうど一週間を迎えた。確認されただけで、死者は阪神大震災の犠牲者六千四百三十四人を超え、戦後最悪の自然災害になった。真冬並みの寒波が生き延びた被災者の体温と気力を奪う▼行方不明者も数万人を超える。一週間たっても被害の概要すらつかめていないのだ。救援物資を運ぶ幹線道路は徐々に復旧し始めているが、物資はまだ十分に行き渡っていない▼きょうからの三連休、被災地に入ってボランティアをする人もいるだろう。ニュージーランドで先月に起きた地震で、恋人を亡くした女性は語っている。「『頑張って』と言わずに、ただ手を握ってあげてほしい」と▼被災地の復旧に汗を流す人がいる。被災者に寄り添うボランティアがいる。自分には何ができるのか。自問する日々だ。

 

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