HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Fri, 18 Mar 2011 21:09:26 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:昨年秋、東京・JR目黒駅の周辺は、火事のような煙が立ち込め…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2011年3月18日

 昨年秋、東京・JR目黒駅の周辺は、火事のような煙が立ち込めていた。落語にちなむ恒例の「目黒のさんま祭り」だ。炭火で焼いた熱々のサンマをお目当てに何キロもの列ができた▼目黒駅の目黒区側と品川区側で日をずらして開かれた祭りには、宮城県の気仙沼と岩手県宮古市が、それぞれ水揚げしたばかりの新鮮なサンマを無償で提供していた。猛暑で不漁だった昨年もなんとか量を確保した▼その二つの漁業の街が震災で大打撃を受けた。両区はストーブなどの援助物資を満載したトラックを走らせた。「艱難(かんなん)にあって初めて真の友を知る」(古代ローマの政治家キケロ)。物資とともに真心も被災地に届いたはずだ▼困難な状況が続く福島第一原発では、陸上自衛隊のヘリコプターが上空から大量の水を投下。警視庁の高圧放水車や自衛隊の消防車による放水も試みた。「だれかがやらなくてはならない」という覚悟の下、被ばくの危険性が高い中の作業を世界が見守った▼鉄道各社はきのう夜、予測不能な大規模停電が起きる可能性があるという政府の異例要請を受け、運行本数を減らし首都圏の足はまた乱れた。寒の戻りで電力需要が高まったためだという。電気漬けの生活に慣れ切った身が悲しい▼気が付けば、悪夢のような地震が起きてから一週間になる。日々が過ぎるのをこんなにも長く感じることはない。

 

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