HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38879 Content-Type: text/html ETag: "c4655-1285-ebfa9f80" Expires: Wed, 16 Mar 2011 20:22:19 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 16 Mar 2011 20:22:19 GMT Connection: close 3月17日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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3月17日付 編集手帳

 同じ心を、昔の人は歌に詠んでいる。〈うらぶれて袖に涙のかかるとき人の心の奥ぞ知らるる〉。さして昵懇(じっこん)の間柄でもなかったあの人が、憎まれ口を(たた)き合ったこの人も…◆失意と逆境のときに触れる他人の情けほど、骨身にしみてありがたいものはない。米国はもとより、中国やロシアを含む十数か国から救助隊が来日し、東日本巨大地震の被災地で困難な救援活動に加わってくれている◆外電という形で届く“情け”もある。英紙インデペンデントは1面全面を使って「日の丸」のイラストを掲げ、日本語で〈がんばれ、日本。がんばれ、東北〉と書いた◆デイリー・ミラー紙は宮城県南三陸町の被災地ルポを載せ、〈泣き叫ぶ声もヒステリーも怒りもない。日本人は、黙って威厳をもち、なすべき事をしている〉と感嘆をもって伝えている◆イタリアでプレーしているサッカーの長友佑都選手がピッチで掲げた「日の丸」には〈一人じゃない みんながいる!〉とあった…。いま、こうして書いていて、文字がにじんでくる。あの地震が起きてからというもの、涙を燃料に毎日を生きている。そんな気がする。

2011年3月17日02時31分  読売新聞)
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