HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 39027 Content-Type: text/html ETag: "b1be3-162c-47ec3c0" Expires: Wed, 16 Mar 2011 01:22:11 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 16 Mar 2011 01:22:11 GMT Connection: close 福島第一原発 放射能拡散を全力で阻止せよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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福島第一原発 放射能拡散を全力で阻止せよ(3月16日付・読売社説)

 東京電力福島第一原子力発電所では、依然として深刻な事態が続いている。15日朝、2号機で大きな爆発が起き、4号機では火災が発生した。

 2号機は、原子炉の格納容器の下部が破損したとみられている。そこから放射性物質が外部に漏れ出した疑いが強い。

 4号機では、使用済み核燃料を水で冷却していた貯蔵プール付近で出火した。使用済み核燃料の熱でプールの水が蒸発し、冷却できなくなったことが原因らしい。

 自然鎮火するまでに、放射性物質が炎に乗って外部へ漏れ出たとみられている。

 1号機の建屋爆発以来、想定外の事態が次々に起きている。

 政府、東電の対応は常に後手に回っているように見える。危機管理能力を疑われて当然だ。

 政府と東電は、対策統合本部を設置した。連携を強化してトラブルの連鎖を断ち切り、放射能拡散を防ぐ必要がある。

 一連のトラブルは、東日本巨大地震による大津波で、福島第一原発にあった非常用電源が使えなくなったことに端を発する。

 原発の核燃料は、原子炉が運転を停止しても発熱している。その後も継続して冷やさなければならないのに、そのための電源が使えず、冷却不能になった。

 1、2、3号機については、電源車を持ち込み、冷却用の海水を注入し続けている。

 その一方、4号機に貯蔵中の使用済み核燃料については、冷却水が十分にあるかどうか、監視を怠っていた疑いがある。

 対策統合本部は、電源が使えないことによる影響をすべて洗い出し、必要な措置を取るべきだ。

 福島第一原発の敷地内では、すでに、人体に危険が生じかねないほどの放射線量が検出されるまでになっている。

 それでも、約50人の発電所員らが現場にとどまり、危険を冒して対策に取り組んでいる。さらに放射線の量が高まれば、それもかなわなくなるだろう。

 微量ながら、東京都など首都圏でも、福島第一原発から漏出した放射性物質が検出されている。

 これによる被曝(ひばく)は胸部エックス線撮影の100分の1以下だ。過度に心配する必要はない。

 それでも、放射能は目に見えない。政府は、正確な情報を繰り返し国民に伝えるとともに、丁寧に説明する必要がある。

2011年3月16日01時34分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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