HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 15 Mar 2011 22:11:55 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:「計画停電」で首都圏が大混乱に陥ったきのう、初めて自転車で…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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2011年3月15日

 「計画停電」で首都圏が大混乱に陥ったきのう、初めて自転車で職場に向かった。約十二キロの距離を一時間あまりペダルをこいだ。途中、白木蓮(はくもくれん)が咲き誇っていた。この花の仲間のこぶしの白い花が思い浮かんだ▼<谷間の残雪が/消え去りがたくて/花になり/えだえだにとまったかと思われるような/コブシの花>。新川和江さんの詩の一節だ。清楚(せいそ)な花が咲き始めると、東北地方では農作業が始まる▼北国に春を告げるこぶしの開花まであとどれぐらいだろうか。待ちわびた春の訪れを前に、被災者は巨大地震にすべてを奪われてしまった▼「牡鹿半島に1000遺体」「安否不明数万人規模」。惨状を伝える新聞の見出しは巨大すぎて、一人一人の命の重さは伝わりにくい。被災地で今、命と向き合っているのは消防、警察、自衛隊、医療関係者たちだ。救援活動を黙々と担う姿に胸が熱くなる▼福島第一原発で、原子炉の入る建屋がまた爆発して、命懸けで仕事をしている作業員が負傷した。二日前より爆発の規模は大きい。安全性を強調する政府の言葉は本当に信頼していいのか不安だ▼首都圏では、三転四転する計画停電で鉄道が大混乱に陥った。でも、負けられない。こぶしの花言葉は信頼、友情。海外の救援隊も続々と現地入りしている。被災者と信頼をつないでいくなら、この国難も必ず乗り越えられる。

 

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