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計画停電 説明不足が招いた首都大混乱(3月15日付・読売社説)

 電力不足の非常事態とはいえ、国民への説明を軽視した姿勢は強く批判されて当然だ。

 東京電力が管内の1都8県(関東全域に静岡県の一部と山梨県)を対象に、14日から実施した「計画停電」のことである。

 対象区域と時間帯をあらかじめ決めて周知し、停電しても混乱が起きないようにする仕組みだ。管内を五つのグループに分け、3時間ずつ電気を止める。4月末まで実施するという。

 東日本巨大地震の影響で供給能力が落ち、早期に停電に踏みきらないと、より大規模な停電が起きかねないことは理解できる。

 東北地方では完全に停電している地域が多く、東電管内の利用者も一定の不便を耐え忍ぶべきだ、との声もあろう。

 だが、対象区域の公表が前日夜にずれ込み、当日の朝になっても内容が二転三転するなど、大混乱を引き起こしたのは問題だ。

 政府と東電が、自治体や交通機関と十分協議しないまま見切り発車したのが一因だろう。とても「計画」の名に値しまい。

 政府が13日夜、先に計画を国民に訴えるため、東電側の説明を遅らせた、との指摘もある。そうだとしたら、政府の責任は重い。

 今後の計画停電の実施に当たっては、政府と東電が協力して関係機関との調整を進めるべきだ。内容をしっかり詰め、早め早めに公表していかねばならない。

 東電の供給能力は、春季なら5000万キロ・ワット程度ある。だが、地震で福島第一、第二原子力発電所が機能停止した。太平洋岸の多くの火力発電所も止まった。

 新潟県の柏崎刈羽原発も中越沖地震の影響で、フル操業にはほど遠い状況にある。

 このため、14日の供給可能な電力は3100万キロ・ワットにとどまるという。一方、需要は4100万キロ・ワットと見られ、1000万キロ・ワット分不足する。これが計画停電に追い込まれた原因だ。

 通勤通学の足となる鉄道や、多くの患者を抱える病院なども一律に対象とされた。国民生活に欠かせない機能を担うこうした機関は例外扱い出来なかったのか。

 電力需要が急増する夏場には、再び計画停電を実施するという。それまでに電力各社間の融通体制を強化することが肝要だ。

 東日本と西日本の電力会社は周波数が違い、簡単には電気のやり取りができない。周波数の変換所の能力を抜本的に高めるよう、電力業界は検討に入るべきだ。

2011年3月15日01時43分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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