HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Sun, 13 Mar 2011 03:11:57 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:三陸海岸を宮城県の気仙沼から、岩手県へと昔、列車で旅したこ…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2011年3月13日

 三陸海岸を宮城県の気仙沼から、岩手県へと列車で旅したことがある。マグロやサンマなどの水揚げ高が日本有数の気仙沼港は活気に満ち、民宿では旬の魚を堪能した▼緑豊かな美しいリアス式海岸。その奥にある東北最大の漁港は津波で壊滅してしまった。市街地は一晩中、燃え続けた。隣の岩手県陸前高田市の中心地では木造家屋が跡形もなく消え去った▼観測史上最大の巨大地震から一夜明け、甚大な被害が明らかになってきた。宮城県南三陸町では、人口の半分以上の約一万人の安否が不明だ。この瞬間にも、救助を待っている人たちがいる。家族の無事を祈る人がいる。一秒でも早く救援の手が届くことを願う▼関東大震災や阪神大震災と比べても、被害は広範囲に及ぶ。私たちは今、経験したことがない巨大な災害と向き合っていることを自覚する▼原発の安全性が重大な危機に陥ったのは初めてだ。起こしてはならない炉心溶融(メルトダウン)が起きた。大量の放射性物質をまき散らしたチェルノブイリ原発の悪夢がよみがえる。コンクリート建屋を吹き飛ばす爆発もあった▼格納容器自体は損傷がないと確認されたが、避難の範囲は半径二十キロに広がった。住民は裏切られた思いだろう。「根拠のない安全神話はただの希望的観測であり願望にすぎない」。防災アドバイザー山村武彦さんの言葉が重く響く。

 

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