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主婦年金問題 与野党が協力し立法で救済を(3月8日付・読売社説)

 このままでは年金制度への信頼はますます失われる。早急に新たな救済策をまとめるべきだ。

 会社員や公務員の妻だった専業主婦が、夫の退職時などに年金資格の切り替えを怠り、無年金になってしまう事例への救済問題である。

 細川厚生労働相は、1月から厚労省の課長通達によって実施していた救済策を撤回する、と表明した。国民年金法の改正を視野に、新しい措置を検討するという。

 年金資格の切り替えを忘れた主婦は、その時点で保険料未納の扱いとなる。年金の受給資格を得るのに必要な加入期間の25年を満たせず、無年金になる主婦が100万人以上に及ぶ可能性がある。

 本人の不注意とはいえ、旧社会保険庁の周知努力が不十分だったことを思えば、何らかの救済は必要だろう。問題は、行き過ぎると新たな不公平が生じることだ。

 現行法では、未納期間があることが分かっても、遡って追納できるのは直近2年間だけと定められている。撤回された救済策は、この2年分は追納を求めるものの、それ以前は保険料を払っていたものとみなす、という内容だ。

 これでは、きちんと切り替え手続きをして保険料を納めていた人と同等の年金がもらえることになる。著しく公平性を欠いており、撤回は当然である。

 これに代わる救済策は、保険料の追納を2年間だけでなく、さらに長期間認める案や、未納期間を保険加入期間に算入しても年金額は減らすといった案が有力だ。

 いずれも法律で定める必要があるが、成立させるには野党の協力が欠かせない。

 しかし、野党側は、撤回した救済策の内容と共に、厚労省が立法措置を避けて課長通達だけで済ませた点を強く批判している。

 この救済策を決めたのは長妻昭前厚労相で、細川厚労相は当時、厚労副大臣だった。

 救済対象の規模によっては、数兆円が必要とされる。大規模な財源を伴う措置を、なぜ国会に諮らず決めたのか。長妻前厚労相は経緯を説明すべきである。

 細川厚労相は、知らないうちに課長通達が出ていた、と国会で答弁している。これでは、あまりに無責任ではないか。

 ただし、野党側も、この問題を菅政権を追い込む材料に使うべきではなかろう。

 これまで政権を担当してきた自民、公明両党にも、年金制度の(ゆが)みを放置してきた責任がある。救済を後回しにしてはならない。

2011年3月8日01時37分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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