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3月8日付 編集手帳

 “人間国宝”の名調子を借り、上方落語『帯久(おびきゅう)』の一節を。〈も、(わる)なると何もかも悪なりますなあ。弱り目に(たた)り目、泣き面に蜂、貧すれば鈍する、(わら)打ちゃ手ェ打つ、便所へ()たら人が入っとおるちゅうぐらいで〉(ちくま文庫『桂米朝コレクション4』より)◆そのまま、菅政権の今を描いたスケッチになる。小沢一郎氏の強制起訴、鳩山由紀夫氏の失言、若手議員16人の造反、発足以来最低の内閣支持率24%(本紙世論調査)、そして今度は…◆法律が禁じている外国人から政治献金をもらっていた問題で、前原誠司外相が引責辞任した◆首相が政権の命運をかける「社会保障と税の一体改革」を見届けたいのはやまやまだが、これだけ求心力が損なわれると近隣諸国に侮られ、領土・領海を巡る理不尽な挑発を招かないか気になるところである。早急に態勢を立て直せ、と催促する時期はもう過ぎたのかも知れない◆落語の一節を歌にしたような古い俗謡がある。〈雨は降りだす屋根の(まき)()れる背中で餓鬼ャ泣く飯ャ焦げる〉。首相の背中で、餓鬼ならぬ、政権交代に一票を託した有権者が泣いている。

2011年3月8日01時40分  読売新聞)
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