HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38667 Content-Type: text/html ETag: "fff33-164b-99362c80" Expires: Mon, 07 Mar 2011 02:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 07 Mar 2011 02:21:05 GMT Connection: close 前原外相辞任 窮地に追い込まれた菅首相 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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前原外相辞任 窮地に追い込まれた菅首相(3月7日付・読売社説)

 来年度予算関連法案の成立のめどが立たず、国会が行き詰まっているこの時期に、前原外相が辞任した。

 尋常ならざる事態と言わざるをえない。菅首相は、一層、窮地に追い込まれた。果たして態勢を立て直せるだろうか。

 前原外相は、京都市に住む在日韓国人の女性から政治献金を受け取っていたことを認めている。

 政治資金規正法は、外国人からの献金を明確に禁じている。まして前原氏は日本の外交の責任者である。「政治家としてのけじめ」をつけるため、引責辞任に踏み切ったのは当然だろう。

 前原氏は記者会見で、予算案や予算関連法案の審議とともに主要8か国(G8)外相会合など外交日程を挙げ、「職にとどまることで内外の課題推進が滞ることは避けねばならない」と述べた。

 もとより、政治の停滞が許されるはずはない。

 だが、政権の中枢にあってポスト菅の最有力候補とされた前原氏の辞任の衝撃は小さくない。

 前原氏は、「日米同盟重視」を掲げ、鳩山政権でこじれた日米関係の修復を図っていた。そのさなかの辞任である。政権の弱体化をこれだけ露呈しては、日米のみならず、日中、日露関係の再構築もおぼつかない。

 野党側は、主婦年金の救済策に関する細川厚生労働相のずさんな対応も問題視している。前原氏の辞任が、野党側を勢いづけ、細川氏の進退にも及べば、菅首相の政権運営は一段と厳しくなる。

 民主党内における菅首相の求心力がますます低下し、小沢一郎元代表グループによる「倒閣」の動きに拍車がかかりかねない。

 菅内閣に対する国民の支持も離れる一方だ。読売新聞の世論調査によると、内閣支持率は、24%に続落した。昨年6月の菅内閣発足以来最低の数字である。菅首相に「早く退陣してほしい」という回答も実に51%にのぼった。

 閣僚の不祥事が相次ぎ、衆参ねじれ国会での法案成立にも何ら展望を見いだせない民主党政権に対する、国民の強い不満と、失望の声と見るべきだろう。

 菅氏の首相としての資質、能力に見切りを付けた人も少なくないのではないか。

 首相が、謙虚に国民の声に耳を傾け、政治姿勢を改めなければ、この難局を打開できまい。

 菅首相にも「民主党政権が誕生して最も厳しい局面」との自覚はあるようだ。それを乗り切る指導力を示せるかどうかが問題だ。

2011年3月7日01時08分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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