HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38493 Content-Type: text/html ETag: "a673a-165e-bde442c0" Expires: Mon, 28 Feb 2011 00:21:39 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 28 Feb 2011 00:21:39 GMT Connection: close 入試ネット不正 徹底解明と「携帯」対策を急げ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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入試ネット不正 徹底解明と「携帯」対策を急げ(2月28日付・読売社説)

 公正であるべき大学入試制度の根幹を揺るがす悪質な行為だ。

 京都大学の入試問題の一部が、試験時間中にインターネット上に流出した。正解を求める書き込みとともに掲示板に投稿され、それに対する答えも寄せられた。

 受験生が携帯電話を使って不正に投稿した疑いが浮上している。同様の書き込みは早稲田、立教、同志社大の入試でも確認された。各大学は事実関係を徹底的に調査しなければならない。

 京大の入試では、文系学部の数学の問題7問すべてと英語の問題2問が投稿された。このうち数学の5問、英語の1問については試験時間内に答えや解き方が書き込まれていた。

 問題を投稿した人物は、いずれも同じハンドルネームを使用していた。ただ、あらかじめパスワードなどを共有していれば、異なる携帯電話からでも同じネームでの投稿が可能だという。

 監視員もいる試験会場から、誰がどのような方法で問題を投稿したのか。単独なのか、協力者がいたのか。問題の漏えいは大学の入試業務を妨害するものであり、刑法の偽計業務妨害罪などにあたる可能性が高い。

 京大は警察に被害届を出す方針で、今後は捜査による解明も進められる。

 韓国では、2004年の大学入試で、携帯電話を悪用した組織的なカンニングが発覚し、受験生らが偽計公務執行妨害で摘発された例がある。

 受験生にとって入試は、積み重ねてきた努力の成果を試す真剣勝負の場だ。一部の人間の不正行為が、他の受験生の合否に影響を与えるようなら到底納得できないだろう。何より試験の有効性が疑われる事態になりかねない。

 再発を防止するには、受験生の所持品の検査や監視員の増員など、試験会場でのチェックを強化するしかあるまい。

 試験会場での携帯電話の取り扱いについては、各大学で対応が異なっている。文部科学省は早急に現状を調査した上で、全国の大学に注意を促す必要がある。

 インターネットの普及で、様々な情報を容易に入手したり、発信したりできる時代である。

 掲示板に質問を投稿すれば「誰か」が答えてくれる。便利さの反面、使い方によっては不正行為の“道具”にもなってしまう。

 小中高の学校現場には、子どもたちに情報モラルに関する教育を徹底することも求められよう。

2011年2月28日01時05分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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