HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38531 Content-Type: text/html ETag: "a3f64-1668-cf472000" Expires: Fri, 25 Feb 2011 20:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 25 Feb 2011 20:21:41 GMT Connection: close 区割り見直し 衆院も選挙制度論議に着手を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

区割り見直し 衆院も選挙制度論議に着手を(2月26日付・読売社説)

 「1票の格差」の是正だけでなく、衆参両院の選挙制度自体の改革に踏み込む時だろう。

 昨年10月の国勢調査の速報値が発表された。この結果に基づき、衆院選挙区画定審議会(区割り審)が、衆院選の小選挙区を10年ぶりに見直す作業を開始する。

 今回の速報値で試算すると、衆院小選挙区ごとの議員1人あたりの人口の最大格差は2・5倍を超えた。格差が2倍を超える選挙区は実に97にのぼる。

 最近の定数訴訟では、2倍を超える格差は法の下の平等に反するとして、各高裁が「違憲」「違憲状態」の判決を相次いで出している。立法府に対する司法からの強い警告と受け止めるべきだ。

 特に問題なのが、以前から格差是正を困難にさせている要因といわれる「1人別枠方式」をいまだに続けていることだ。

 まず47都道府県に1議席ずつ割り振り、残りの議席を人口比に応じて各県に配分する。人口の少ない県でも最低2議席を確保できるようにする仕組みだ。別枠方式をなくせば、格差は1・6倍に収まるという試算もある。

 別枠方式を撤廃するには、区割り審の設置法を改正する必要がある。今のままでは、区割り審は別枠方式に従って見直し作業を進めざるを得ない。各党は、別枠方式を撤廃して単純人口比例に改める法改正を急ぐべきだ。

 区割り論議の以前に、選挙制度の問題もある。

 参院では、格差を大幅に縮小させるには選挙制度の見直しが不可欠と判断して、具体的な論議が始まっている。昨年末には西岡参院議長が、現行の選挙区選と比例選を、全国9ブロックの比例選に一本化する私案を発表した。

 だが、選挙制度は、衆参両院の役割や権能と密接な関係を持っている。二院制のあり方など根本から考えるべきで、参院だけが議論を進めるのは望ましくない。

 衆院選は、現行の小選挙区比例代表並立制の下で、すでに5回実施されている。

 これまでの15年の間に、並立制の長所短所が浮き彫りになってきており、制度の見直し論も出ている。安定した政治を実現するために、中選挙区制への回帰を唱える政治学者もいる。

 ねじれ国会の常態化で政治を機能不全に陥らせないためには、衆参両院の選挙制度をどう改めればよいか。各党とも、これを喫緊の課題と認識して、本格的な議論に着手してもらいたい。

2011年2月26日01時27分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
現在位置は
です