HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 26 Feb 2011 02:09:13 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:写真を撮る時に「チーズ!」というのは、無論、西洋からの伝来…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2011年2月26日

 写真を撮る時に「チーズ!」というのは、無論、西洋からの伝来だ。しかし「チー」でなく「ズ」の瞬間を撮られては笑顔にはほど遠い▼撮影者の「一たす一は?」に「二(にー)」と答える方法もあるが、韓国流だと「キムチ!」だという。それなら、NHK大河ドラマ『龍馬伝』で、坂本龍馬が未来の妻お龍(りょう)に、笑顔になるようにと伝授した言葉、「海(うーみー)」も悪くないと思う▼ともあれ、人は笑顔の写真にこだわる。きっと、幸運や幸福は暗い顔より笑顔が好きだと信じているからだろう。確か、映画『男はつらいよ』の寅さんは、こうまで言っていた。「レントゲンだって笑って撮った方がいい」▼だから、何とも切ないのだ。今、新聞などで、ニュージーランドの地震で被災し、なお安否不明の日本の方たちの顔写真を見れば、ほとんどの方が笑顔である。それも「チーズ!」などなしで自然に浮かんだような笑みばかり▼無論、それぞれが、どんな状況で撮られたものかは知らない。だが、英語習得など自分を磨くため遠国へと羽ばたいた人たちだ。静かな湖面に映る青空みたいに、そのみつめる未来の明るさが、そのまま表情に映っていたのではないかと、勝手に想像してもみる▼時間は刻々過ぎるけれど、現地では、日本隊も加わって懸命の捜索活動が続く。とにかく、「救助!」の報が聞きたい。

 

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