
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38536 Content-Type: text/html ETag: "a4008-16d1-95d6ee40" Expires: Fri, 25 Feb 2011 03:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 25 Feb 2011 03:21:45 GMT Connection: close
![]() 取り調べ可視化 調書偏重主義を改める契機に(2月25日付・読売社説)まず事例を積み重ね、功罪をしっかり検証することが大切である。 郵便不正事件を巡る不祥事を受け、検察が来月から、東京、大阪、名古屋の各地検特捜部が扱う事件で取り調べの録音・録画(可視化)の試行を始める。 今回、対象となるのは、容疑者が録音・録画に同意し、なおかつ真相解明の妨げにならないと検察官が判断したケースだ。 記録する範囲は検察官の裁量に委ねられる。取り調べの全過程ではなく、供述調書の内容や調書作成の経緯を容疑者に確認する場面などが中心になる見通しだ。 可視化には、取り調べをガラス張りにすることで、検察官による供述の誘導や強制を抑止し、 一方、捜査現場には可視化への抵抗感があることも確かだ。容疑者から真相を聞き出せなくなり、解明に至れない事件が相次ぐのではないか、との懸念は根強い。 だからといって、今回の試行の録音・録画が短時間で形式的なものにとどまれば、検証に必要な材料は集まるまい。検察官はできる限り多くの場面で試行を重ねていくべきだろう。 郵便不正事件では、無罪となった村木厚子・元厚生労働省局長の関与を認める、厚労省職員らの供述調書が多数作られていた。 事件の教訓を再発防止に生かすためにも、検察は参考人の取り調べまで可視化の試行対象に加える必要があったのではないか。 今後、取り調べの可視化をさらに広げる方向で議論する場合は、罪を認めれば刑を軽減する司法取引や、おとり捜査など、新たな捜査手法の検討も欠かせない。 重要なのは、これを機に、検察が供述調書に過度に依存する体質から脱却することだ。 従来の裁判は、「調書裁判」と批判されるほどに捜査段階の供述調書を重視する傾向にあった。 捜査段階で自白した被告が公判段階で否認に転じても、裁判所は検察の申請した自白調書を証拠採用し、それを根拠に有罪判決を言い渡すことが少なくなかった。 そうした状況の中で、自らに都合のよい調書を作成しようとする風潮が検察内部に醸成されてきたことは否定できない。 検察官は容疑者が自ら真実を語るような取り調べに尽力する。裁判官は記録された音声や映像を基に、供述の任意性や信用性を厳正に判断する。可視化の試行を、刑事司法の原点に立ち戻るきっかけにしてもらいたい。 (2011年2月25日01時19分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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