HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 23 Feb 2011 22:12:08 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:都知事選 様子見より早く決断を:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

都知事選 様子見より早く決断を

2011年2月23日

 首都の顔を決める東京都知事選までひと月余り。統一地方選の天王山とされる大事な選挙なのに立候補の動きがどうも鈍い。課題山積だ。やる気のある人は早く名乗り出て議論を盛り上げてほしい。

 都知事選は三月二十四日告示、四月十日投開票。動向が注目された現職の石原慎太郎氏が立候補しない意向を固めたと伝えられた。

 しかし、これまでに立候補を正式表明したのは、共産党政策委員長で前参院議員の小池晃氏と、外食大手ワタミ創業者の渡辺美樹氏の主に二人にすぎない。

 蓮舫行政刷新担当相、東国原英夫前宮崎県知事、猪瀬直樹都副知事、松沢成文神奈川県知事の名前も挙がるが、当人たちの態度がはっきりせず、有権者の選択肢は今のところ広がりを欠く。

 東京のために一肌脱ぎたいと本気で考えるのなら、様子見を決め込まず、都政を担う決意を早く示して政策論争を始めてほしい。

 立候補の動きになかなか火が付かないのは、三度の選挙で圧勝した石原氏がこれまで去就を曖昧にしてきたからだ。負け戦は避けたい各党各候補者が石原氏よりも“後出しジャンケン”での勝利を狙っているのだろう。

 だとすればなおさら、三期十二年の石原都政を検証し、これから目指す、新しい「東京のかたち」を論じ合わねばなるまい。

 石原氏は昨秋、築地市場の豊洲移転を決断したが、それを引き継いで計画通り進めるのか否か。厳しい経営が続く新銀行東京をどう再建するのか。都財政をどう運営するのか、などだ。

 有権者に争点を分かりやすく示し、論戦を深めなければ、首都決戦の名を汚す。とりわけ、民主、自民の二大政党が候補者擁立で、もたついているのは怠慢だ。

 民主党は国政では政権与党で、東京は菅直人首相のお膝元だ。敗北を恐れるがあまり候補者擁立が進まないのなら、政権担当能力にも疑問符がつくだろう。

 自民党も、出馬を求めてきた石原氏が不出馬の意向を固めたことで仕切り直す必要が出てきた。候補者を擁立できるかどうかは政権復帰を占うカギにもなる。

 首都決戦の行方は、ねじれ国会で窮地に立つ菅政権の命運をも左右する。愛知県知事選、名古屋市長選などの「トリプル投票」で民主、自民両党の推す候補はともに敗れ、既成政党離れも指摘されるが、各政党は有権者に選択肢を示す責任から逃れてはならない。

 

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