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NZ大地震 「直下型」の怖さ見せつけた(2月23日付・読売社説)

 英国風の古いレンガ造りの教会、ビルなどが無残に崩れ落ちている。

 ニュージーランド南島最大の都市クライストチャーチの被災状況は、都市直下型地震の脅威をまざまざと見せつけた。

 倒壊したビルの下敷きになるなどして多数の死傷者が出ている。200人が勤務するオフィスビルも崩れ落ちたという。

 日本人も、在住者に加え、観光客や留学生など計3000人以上が市内にいたとみられる。

 富山市の富山外国語専門学校からは、教員と学生計23人が語学研修のため現地を訪れていた。

 地震が起きた時、昼食のためカフェテリアにいたという。崩壊した建物の下に閉じこめられるなどして、負傷者が出た。連絡がつかなくなっている学生らもいる。

 外務省や旅行会社などは、被災者たちの一刻も早い安否確認に努めてもらいたい。

 現地では道路や通信網が混乱している。多くの住民が、被害の大きかった街の中心部から避難している。負傷者が多く、医療機関での治療が追いつかない。市内には非常事態が宣言された。

 日本政府は、救出・救援活動に備えて先遣隊を送った。早急かつ十分な支援が求められる。

 ニュージーランドは、日本と同じ「地震国」だ。地球の表面を覆う巨大なプレート(岩板)同士がぶつかり合う場所にあり、内陸部には、直下型地震を引き起こす活断層がいくつもある。

 クライストチャーチでは昨年9月にも大きな地震があり、100人以上が負傷している。今回は前回ほどの規模ではなかったが、震源が5キロ・メートルと浅かったため、被害が大きくなった。

 ただ、ニュージーランドは、有感地震や大きな地震の発生頻度では日本の10分の1程度だ。欧州からの移民が本格化して200年余りのため、過去に起きた大地震の記録は少なく、活断層などの調査も進んでいるとは言えない。

 一部の建造物には先進的な耐震技術が使われているが、被害状況を見ると、歴史的建物ばかりでなく新しいビルも崩壊している。耐震性が十分でなかったようだ。

 日本も、1995年の阪神大震災で、建造物の耐震性の弱さが露呈した。その後、耐震補強が進められてはきたが、小中学校の校舎などの補強は遅れている。

 いつ起きてもおかしくない首都直下地震や、東海、東南海、南海地震など巨大地震への備えを改めて点検することが大切だ。

2011年2月23日01時12分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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